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夏の雲。秋の雲。撮影の日々はすでに想い出 [9月ー2017]

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「明日にかける橋」撮影中から空はもう秋の雲だった。クランクアップしたとたんに猛暑もストップ。秋の風が吹いていた。暑い夏は撮影の終わりと共に去って行った。

東京に戻り、2週間ほど経つ。あと片付けや今後の準備が続いている。ふと空を見上げると夏の雲。何だか懐かしい。「おーい、どこへ行ってたんだ〜」と声をかけたくなる。

撮影終了からまだ1ヶ月も経っていないのに、あの猛暑の日々がもう何年も前の想い出のように思える。毎日、朝5時に起きて撮影していた仲間たちとも当分会うことはない。皆どうしているのか? すでに次の現場で駈け待っている人もいるだろう。

いつものように燃え尽き症候群になり、夜は必ず撮影をしている夢を見て、住み慣れたアパートがどこか違和感があり、ベトナム戦争から帰還した兵士のように日常に戻れないでいる。

疲労困憊で何日も寝続け、50歳を過ぎて体力がないのに何時間も寝てしまい、疲労がヘドロのように体に付きまとう。撮影を終えた直後はとても元気だったのだけど、ほっとしたことで蓄積された疲労が吹き出して来たのだろう。

電話で人と話す気力さえなく、といってじっくり休養する余裕もなく、ポストプロダクションの準備を続ける。いよいよ編集がスタートする。編集こそ、猛暑の撮影よりも大変で過酷な作業なのだ。体力と気力の限界に挑戦する仕事。

一番近いと思えるのは刀鍛冶だろう。深夜に何日も小屋に籠って刀を鍛える。時代劇でよく出て来るアレ。それが編集作業に一番近いはず。刀に命を吹き込むのと同じ、映画に魂を入れる作業だ。

撮影したフィルムを繋ぐのが編集と思われがちだが、そうではない。それは作家と作品の戦い。魂を削る作業となる。たった1人で挑む魂の戦い。「大袈裟じゃない?」と思うかもしれないが、そんな作業だからこそ、映画を見た人は心が揺さぶられ、人生を変えられることさえあるのだ。

夏の雲を見上げながら、そんな戦いが始まることを痛感する。「おーい、来年また会おうなあ〜」雲が笑顔で手を振るように見えた。


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