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映画監督はつらいよ。問題あれば全て監督のせい? [映画業界物語]

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俳優の演技がよかったーそれは俳優の力。俳優が下手だったーそれは監督のせい。と、この業界では言われる。「そんな理不尽な〜」と思うが、それは正しい。俳優が下手なのは、それを見抜けなかったかった監督が悪い。そんな俳優をキャスティングした監督のせいなのだ。だが、それがわかっていない輩も多い。

後輩監督たちの映画を見て「へ? なんでこうなるの?」「なんで、この俳優使ったの?」「これちょっとひどくない?」と思うことがよくある。本人たちに聞いてみると、こういう。

「製作費がなかったんです......だから、あのシーンはああなって....」

「時間がなかったんです。陽が暮れてしまい、取り残しが出て、翌日も時間なくて..... 」

「僕は嫌だと言ったんです。Pがどうしてもというので、あの女優を選びました.....」

 事情はよく分かる。金がない。時間がない。Pが横暴。でも、そのことで映画のクオリティが落ちたら監督せいなのだ。

「そんな酷い。お金がなければ自腹切ってやれっていうんですか? そんなのおかしいですよ....」

 という人もいるだろう。でも、それらも違う。まず、P問題。僕も極悪Pとは何人も仕事をし、騙され、誤魔化され、ピンハネされ、ギャラを払わなかった奴までいる。必殺!仕事人に恨みを晴らしてと、依頼しようと思ったことさえある。いやいや、それは嘘だが、裁判直前まで行ったことも何度かある。

 そんな経験を踏まえて、今は自分でPをしている。スピルバーグだって、ルーカスだってそう。2作3作と撮るとPの権限を持つことで自分の作品を守り、より自由な映画作りをしている。そうすればキャスティングもあれこれ無理を言われることもない。もちろん、2倍どころか2倍仕事をすることにはなるが、作品を守るためだ。

では、お金と時間はどうするか? 確かにこれをいう人は多い。そして一番大きな問題でもある。といって「お金がなかったからセットを建てられなくて、空き地で撮影しました...」というのは違う。というのも、最初から1億円かかるものは1億かかるのだ。

それを1000万ではできない。どうも、若い監督の話を聞いていると、1億かかるシナリオを1000万で撮って「製作費が足りないのでこうなりました」ということが多い。また、4週間かかる内容を10日で撮影して「時間が足りなかった.....」という。そんなことは当たり前だ。

「****という映画は200万円で製作して、大ヒットしたから僕もできると思った」とか、その200万の映画が見えないところでどれだけ犠牲を払い製作しているのか? それを知った上でやるのか? 何だかそんなことをいう人たちがよくいる。

製作費が足りないから、クオリティが下がったではダメ。時間がなかったので、盛り上がらなかったもダメ。もちろん、撮影中に台風が来て1週間撮影中止ならまだ同情するが、最初から1週間と分かっていれば、そのシナリオをどんな速度で撮影せねばならないか?は分かるはず。時間がなければ粘ることはできない。じっくりと撮影もできない。「もう一度、本番行きたい!」と思っても撤収して次のロケ地へ行かねばならない。

それは最初の段階で想像が着く、それならばその時間でできる最大限の演出法で行くしかない。また、早撮りの方法論を考えるべきである。あのスピルバーグが「レイダース」を撮影したとき。あのスピルバーグでも予定通りに撮影せねばならず。カイロの撮影でHフォードが下痢でアクション場面を撮れなくなった。翌日には別の国へ移動だ。

そこで考えたのが拳銃を使ったあのシーン。場内大爆笑。時間がないことで生まれた傑作場面だった。毎回、そううまくは行かないが、考えて、考えて、行動すれば、時間やお金がなくても問題を解決することはできる。それを監督自身が「製作費がなかったので、ああなった...」「時間がなかったので、そのシーンが撮れていない」というのは、監督辞めます宣言にも等しい。

黒澤明のように全てを完璧主義で貫ける監督は今の時代にはいない。スピルバーグだって努力している(まあ、キャメロンはそれをやっているかもしれないが、彼は自分で製作費を集めているし)そんな中で日本の若い監督たちが「金」や「時間」をエクスキューズにしてはいけない。戦って克服し、少しでもクオリティの高い作品を作ることで、次の作品をより自由に撮れる環境ができるはずなのだ。



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