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表現の仕事は憧れだけではできない。「命がけでやる!」という思いがある者だけが成功する世界③ [映画業界物語]

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表現の仕事は憧れだけではできない。「命がけでやる!」という思いがある者だけが成功する世界③ 

「人気女優が彼女...。テレビCMに出て有名になる....そんな生活 ってカッコいいよなあ〜」

と憧れる若者たち。芸能界の一部分だけを見て勘違いしているだけなのだが、俳優、歌手、映画監督、小説家....そんな職業に就くことを「夢を追うこと」だと思い込む。が、結局は夢破れて終わる..という話を前回書いた。

何が問題か?というと、彼ら彼女らは映画監督や俳優、ミュージシャンや作家という仕事がどんなものか?分かっていないのだ。見た目はカッコよく見えても、芸能人やアーティストたちの生活は本当に凄まじい。それを知らないから憧れる。

「1本のCMでギャラ3000万?凄いとか」

「あの人気女優と仕事してるんだ。カッコいい〜」

とかいう目線でしか見ていない。映画監督なら「死んでもいいからこの映画を撮りたい」歌手なら「飯食えなくてもいいからステージで歌いたい」俳優なら「ギャラなくてもいいからこの舞台に出たい」というもの凄い思いを持っている。でも、それを知らないから、憧れだけで見てしまう。つまり、観客の視点。舞台裏がどれだけ凄惨か?を知らないで、表だけ見て「よし、私も!」と思うのである。

ただ、その種の人たちは一般的といえる。小さな悩みはあるが、普通に学校に行き、ノーマルな生活を送ることができ、一般的な価値観を持っている。10年間の教育を受けて良識ある日本人的な考え方をする。大学時代にはバイトをして1時間いくらで働く。卒業が近づけば就職活動。安定した大企業を探す。そんな人生を送って来た人が、芸能界に憧れて、映画界に惹かれて、映画監督になりたい。俳優になりたい。小説家になりたい!と思う。

そこで軋轢が生まれる。彼ら彼女らは、その10年で培った日本人的な価値観で何事も考えてしまう。それでは映画界や芸能界には通用しない。「大手**商社に入社するには、**大学以上の学歴。**学部が有効」とか、あるいは「自分の大学なら**社なら何とか受かるかな?」とか考える。だから、先に書いたようにマニュアルを探す。どうすれば映画界で仕事ができるか?芸能人になれるか?

アルバイトをしてもマニュアル。それに従い仕事をする。決められたルールに従い働く。学校時代も同じ。与えられたことを記憶する再現するという作業を10年も続ける。考えるという訓練はあまりしない。そうやって刷り込まれた価値観や方法論で芸能界で仕事しようとするから、うまく行かない。入り口さえ見えずに夢破れて行く。映画や芸能の世界は彼らが生きて来た社会とは違う価値観、違うルールで成り立っているからだ。

こんなことがあった。アルバイトで生活を支えながら、俳優を目指す若い男の子。ちょっとしたことで知り合った。やる気がある。友人監督のオーディションがあるので、声をかけた。彼はこう答える。

「すいません。その日、バイトあるんで行けないんです...」

「はあ??お前、バイトと役者どっちが大事なの?」

「嬉しい話しですけど、シフト入れちゃったんで...」

彼の中ではオーディションより仕事が大事なようだ。だったら役者やめろ!と思えるが、彼は自分の夢は俳優と思い込んでいる。ただ、シフトに入っているのに、急に抜ければ店にも、同僚にも迷惑がかかる。その意味では彼は真面目なのだが、大きなチャンスを失っていることに気付かない。この業界。何度もチャンスは来ない。そのオーディションに行っていれば、重要な役に合格し、そこからプロの俳優としてスタートできたかもしれない。

が、それを想像することができない。彼が考えたのはシフトを抜けると同僚や店に迷惑がかかるということ。「きっと監督はまたチャンスをくれる。そのときにがんばろう」と考える。が、映画人から見ればこう見える。

「彼はアルバイトが大事なんだ。店や同僚に迷惑をかけてまで俳優業に進みたい訳ではないということ。その程度の情熱なのだ....」

そして二度と声をかけることはない。そのズレは何なのか?それは10年間の教育。日本の社会システムにどっぷりと浸かった価値観。学校を休んではいけない。会社を休むと会社に迷惑がかかる。という発想。与えられたことをやらなければならない。勝手に考えて行動してはいけない。そんなマニュアルやルールに縛られ、その種の教育を受けて来た人たちは自分の夢である「俳優になること」を追い掛けているのに、アルバイトを優先する。

終身雇用でもなく、僅かなバイト料で働く。目標は俳優業。そこまでの生活費稼ぎなのに、そちらを夢より優先してしまうのは、10年間の教育が刷り込まれている。学校=会社=バイトが同じように絶対的なものになってしまい自分の中で一番大切なものを2番目にしてしまう。

そもそも俳優というのは親の死に目に会えないという仕事。親が死にかけても舞台や撮影があれば病院に駆け付けることもできない。それが店に迷惑をかけるから...というのであれば、その段階で俳優業は無理..。教育による呪縛。価値観から逃れられない限り。彼は俳優になることはないだろう。そしてチャンスというものが、どれだけ貴重なものか?も分かっていない..。

(つづく)ー次回完結



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