So-net無料ブログ作成

キャスティングは監督の仕事。それが日本映画の伝統であり基本! Pが選ぶと作品がダメになる? [映画業界物語]

54436760_2536516983089257_1074137072660381696_n.jpg


キャスティングは監督の仕事。それが日本映画の伝統であり基本! Pが選ぶと作品がダメになる?

映画に出演する俳優はどのようにして決められるのか? 日本映画の場合は基本、監督が選ぶ。作るべき物語を理解し、様々なプランや演出を考えるのが監督なのだから、その世界観を作り上げるべき俳優は当然、監督が選ばなければならない。

ただ、テレビドラマの場合は違う。プロデュサーが企画を立てて、脚本家に依頼。上がったシナリオを読み、キャスティング。そのあとにディレクターが決まる。なので人気俳優を選びたがる。そしてタレント事務所と付き合いもある。癒着も生まれやすい。

映画も主役に関してはスポンサー、プロデュサーが口を出す。主役は興行にも影響するので、無名の新人というののは難しい。が、その場合でも監督の意志が尊重される。僕がまだ新人監督だったときでさえ同様。主役はPたちがあれこれ上げた中から僕が選び、その他は全員、自分で決めている。まわりもそれを理解していた。それが映画界のやり方。

テレビ局で仕事したある番組(映画の監督が撮るドラマというのが売り)ときでも、ある事務所から選ぶように言われたが、その中からなら自由にキャスティングできた。そこにいないキャラは他の事務所からも選ぶことができた。その局のPは映画監督が俳優を決める重要性を理解していたのだ。僕だけではない。後輩たちも。先輩も。多くの監督は自身で俳優を選ぶ。それが映画界のしきたり。


28059498_1821683161239313_4920575493736687493_n.jpg

ただ、映画でも芸能プロと癒着したPが「この役はこの俳優でお願いします」という圧力をかけて来ることがある。「1人入れれば*万円」という裏取引が事務所からあったりするようだ。あるいは「次回はうちの人気俳優を使っていいですよ。その代わり今回は新人を10人」とかいう取引もされる。

Pはそんな提案に乗る人が多く、また、そんな仕事でもある。立場は分かるが、僕は自分で「いい!」と思わない俳優は絶対に起用しない。だからPにはよく嫌われた。それでも関係者は「キャスティングは監督!」という思いがありそのPのあと押しはしない。結果、いい作品ができた。

が、先にも書いた通りにテレビは違う。シナリオも、キャスティングも決まっており、監督は現場の仕切りだけ。監督の個性が出ず、その手の作品はかなり宣伝され、そこそこヒットはするが「中身のない映画だったなあ」と思われ評価されないことが多い。

考えてみてほしい。シェフが料理をつくるとき。材料は自身で選ぶ、野菜、肉、魚、香辛料。自身がイメージする料理に必要なものを用意する。それを料理をしたこともない第三者が集めた材料で「さあ、おいしいものを作ってください」で皆が喜ぶ料理ができるだろうか?映画も同じだ。

監督自身が好きで、評価する俳優を起用するから、その俳優の魅力が引き出される。俳優も「この監督が選んでくれたんだ」と思い、がんばる。Pが選んで押し付けられた俳優の場合。監督はその人の魅力を引き出そうとか、隠れたいい面を探そうとか思わない。セリフを間違えなければOK。俳優も真剣になれない。だから作品も盛り上がらない。

映画というのは不思議なもので「思い」というのが作品クオリティを変える。その監督が選んだ俳優なら愛が生まれる。押し付けなら「お仕事」になってしまう。さらにPは作品のことより損得を考えて俳優を選びがち。それで選ばれた俳優に対して監督は愛情を持てない。「ミスキャストだよなあ」と思って演出すると作品自体が盛り下がる。誰も得しない。

Pの多くはサラリーマンであり「この作品ができれば死んでもいい!」とは思って仕事しない。次もあるし、その次もある。大手の**芸能とは仲良くしておきたい。「売り出し中の**ちゃんを出して恩を売ろう」という輩も多い。もちろん、根性のある素敵なPもいるが、本当に少ない。そもそも撮影現場で演出しない者が俳優を選ぶこと自体が間違っている。

テレビ的なキャスティングをする作品は増えてはいるが、映画界では監督が俳優を選ぶという伝統があり、それが主流だ。そうでなくてはいい作品は作れない。だから、僕は主役から脇の1人まで自分で決める。そこに愛が生まれる。作品が素晴らしくなる。それが映画なのだ。



 dvd   pakeage.jpg
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:映画

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

Facebook コメント