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俳優という仕事。華やかなところばかり見ているから分からない過酷な生活。 [映画業界物語]

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俳優というお仕事。華やかなところばかり見ているから分からない過酷な生活。

ある若手俳優さんと精神病について話していた。通常、その手の話をすると皆、嫌がる。「お前こそが精神病じゃないか?」という目で見られる。が、彼はとても興味深そうに話を聞いている。訳を聞くと、

「精神に異常を来たす俳優は多いですから。周りにも結構いますよ。特に女優に多いですね...」

確かにそうだ。俳優業は物凄い神経を使う。カタギの人が考える以上に過酷な仕事。もともとが繊細でナイーブなのに、神経を酷使、擦り切れる表現をする。自分を追い詰める。見ていてもおかしくなるんじゃないか?と思える。

ハリウッド俳優のヒース・レジャーも「ダークナイト」でジョーカーの役を演じ、入れ込み過ぎたことがきっかけで死んだと言われる。実際の原因はドラッグだが、ある有名女優さんもこう言っていた。

「あの芝居を見ていると死んじゃうと思うな」

日本でも知られていないだけで、多くの俳優が精神病になり、自殺したり、引退したりしている。俳優だけではなく、お笑いタレントでもその種の病気で休業する人がいる。有名ではないが、僕の知る俳優でも、おかしくなった子がいる。もう、まともに接することができない。良かれとしたことを逆恨み。常識的でないことをしでかしたり。あとで病気だと分かったが、距離を置くしかない。

そういう言い方をすると、人はすぐに「叫び出したり、暴れ立ちするの?」と考えがちだが、以前の記事を見て貰えば分かるが精神病には様々な症状がある。多くに言えることは情報処理能力の欠如だ。気が狂って正気をなくすのではなく、情報処理が苦手になる。というとまた、知能低下と解釈する人がいるが、それも違う。

簡単にいくつか紹介すると、一部の記憶をなくす(記憶喪失ということではない)あるいは記憶を改竄する。実際にはなかったことを記憶にしてしまう。妄想を持つ。嘘をつく(本人は事実と思い込んでいる)ただ、日常生活に支障はない程度であることが多い。

「何かあの人変だな?」

と思えるとき、その種のことが原因だ。詳しく書くとまた長くなるので、以前の記事を読んでほしい。
(朝日のあたる家ー監督日記=>https://cinemacinema.blog.so-net.ne.jp/archive/c2305780767-1

ただ、精神病の知識がないと病気ではなく「変わった人」と思ってしまいがち。こうして周りは気づかず、本人が1人で苦しむことなる。過酷な仕事のせいだけではない。俳優は本当に大変なのだ。現場でスタッフに気遣う。共演者にも気を遣う。先輩にも気遣う。スポンサーにも気遣う。

自分を殺し、優等生を演じる。「そんなこと俺だって会社でやっているよ」というかもしれないが、俳優は毎日のように現場が変わる。その度にどこへ行っても、どの現場で気を使わねばならない。街を歩くときも、いつサインを求められるか分からない。下手に断るとTwitterで悪口を書かれる。人気商売だ。休まる暇がない。

だから、ベテランになるとマネージャーに当たる。新人に嫌がらせをして、ストレス解消をすることがある。でも、そんなことをせず、ひたすら我慢して、いい子を演じ続ける俳優がほとんど。

不安がある。ストレスがある。プレッシャー。嫌がらせ。事務所からの縛り。嘘。中傷。批判。ありもしないことを言いふらす人。スキャンダル。ゴシップ雑誌、写真週刊誌、パパラッチ。いつ誰が見ているか分からない。ちょっとした一言で大変なことになる。

信じていた人が平気で裏切る芸能界。利用しようと笑顔で近づく人たち。悪気はないが、無神経なファン。油断するとすぐにプライベートに踏み込んでくる。心休まる暇がない。

俳優とはそんな仕事。だから心を病んでしまう人も多い。スポットライト浴びた華やかなところばかりに目が行くが、俳優業とはそんな中で戦い続ける過酷な仕事なのである。


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