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嫌われても、いい映画を撮るか? 嫌われないようにして質を落とすか?=嫌われるのも監督業のうち? [映画業界物語]

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嫌われても、いい映画を撮るか? 嫌われないようにして質を落とすか?=嫌われるのも監督業のうち?

嫌われる大切さー記事。予想外に好評。周りに気遣いして自分を曲げ、悩んでいる人が多いということだ。そこで同様の記事をもう一つ。僕は地方でよく映画を撮る。町の魅力を発信する町興し映画が多い。かなり昔の話だが、撮影予定の街であるレストランの店長と知り合った。

「街のアピールになるし、応援するよ!」

と、いろんな人を紹介してくれた。二度ほどランチを奢ってくれた。「俺の店。撮影で使ってもいいよ!」と何度も言ってくれた。が、残念ながらイメージが違う。そのことは伝えた。

映画作りは町のグループが推進している。順調に進んでいた。その内に店長が「俺の店で撮影するんだよ!」と言い回っていると聞く。承諾はしていない。そのことを伝えた。

「えー、もうみんなに言ってしまったし、撮ってもらわないと困るよ〜」

と言いだす。その内に別に古い食堂が見つかる。そちらの方が物語に相応しい。さて、どうするか? 聞き込みをすると背景が見えて来た。

そのレストランの経営は苦しいそうだ。映画で宣伝になることを期待し、店長は近づいて来たのだ。町のアピールではなく、店のことが大事のようだ。撮影された場所や店は今風にいうと「聖地巡り」と呼ばれて観光客が訪れるスポットになることが多い。それを期待しているのだ。

選挙でも、大口の票を集めたから、当選後はお返しをしてもらおうと議員にたかる人たちがいる。それ目当てに選挙応援。それは違う。その候補者の公約が素晴らしいから応援するのだ。見返りを期待するべきではない。それは癒着だ。

映画も同じ。プロデュサーの奥さんがやっている店で撮影したり、町の顔役の家でロケしたりということがよくある。そのロケ地が物語にふさわしければ構わない。が、明らかに違うのに撮影するのは作品レベルが下がる。

だから、店長の店はもう一度、断った。すると彼は手のひら返し「恩知らず!」「応援してやったのによ〜」と怒鳴り付けられた。その後、町のあちこちでこう言い回った。

「監督に利用された。騙された!」

「あいつには気を付けた方がいい」「いいようにされるぞ」

「あれだけ応援したのに撮影が始まっても挨拶なしだ!」

と、店のロケを断ったことを言わず、応援したのに不義理をされたと言い換えて批判を繰り返した。

「それは酷いなあ」「市民を利用して映画作ってんだな〜」「金抜いたりしてるんだろ?」

一部の人は店長の言葉を鵜呑みにして、一緒になって批判をした。でも、それはごくごく一部で、映画は無事に完成。地元支援者たちも店長は問題がある人だと知っていた。ただ、本当の悪人ではない。経営が苦しいので映画でアピールしたかった。でも、だからと言って物語に合わない場所で撮影はできない。例え嫌われても、それはできない。

地方映画の場合。多くは何の見返りも求めず「故郷の魅力を伝える映画を作ろう」と頑張る。そうではなく欲得のため、利益のために近づいてくる人に好かれる必要はない。

「嫌われること」を怖れ、皆にいい顔をする人がいる。でも、この場合。店長と仲良くして、映画のクオリティを落とすより、嫌われる方がいい。全ての人と仲良くはできない。嫌われることを怖れていたら、前には進めない。


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