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時代を生き抜くキーワード。多くの情報を得ること=最近書いた記事のほとんどが同じ結論で驚く?(読みやすい短縮版) [my opinion]


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【時代を生き抜くキーワード。多くの情報を得ること=最近書いた記事のほとんどが同じ結論で驚く?】(読みやすい短縮版)

このところ書いて来たいくつかの記事。共通点があることに気付く。「俳優になりたい人たち」「トランプを批判する人」「戦場ジャーナリストを批判する」「地方映画が成功しない背景」「映画人、芸能人への批判」その問題点。背景は皆同じと気付いた。

別の例で説明する。アメリカ人が我が家を訪ねて来る。靴のまま部屋に入ろうとする。アメリカではそれが普通だ。が、もちろん日本では玄関で靴を脱ぐ。それを

「アメリカ人ってバカね。靴を脱ぐのは常識でしょう?」

そんな批判するのは当て外れ。アメリカ人は部屋で靴を脱がないとからだ。だが、小説家を見て、こう思う。

「あの先生、いつもブラブラしているだけ。気の向いたときに原稿書いて、作家って気楽な商売ね」

でも、それが作家。朝9時から夕方5時まで原稿を書くというものではない。ブラブラしているように見えても、あれこれ考えている。その意味では寝ているとき以外は全て仕事をしていることになる。でも、作家の生活を知らない。情報がない。なので一般の会社員の生活を重ねてしまい、間違った批判をする。


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そんな間違った批判。特に日本人がしがち。背景がある。アメリカは様々な民族がいる。宗教も価値観もいろいろ。超金持ちから超貧乏まで。だから、人はそれぞれ違うというところからスタートする。対して日本はほとんどが日本人だ。少し前まで1億総中流と言われた。多くが大学まで行き、同じ教育を受ける。最近の若者は個性がないと言われるが、まさにその通り。大差のない大人に育ってしまうのだ。

当然、考え方も似たようなもの。文化でも、言語でも違うものがほとんどないので、いつしか、皆、同じであると思い込んでしまう。習慣も、常識も、法律も、価値観も、同じだ。同じはずだ。いや、次第に疑うことさえしなくなる。が、実際は違う。東京と大阪。都会と地方。価値観や志向が違う。サラリーマン社会と芸能界はかなり違う。映画界とテレビ界でも違う。マスコミ、広告業界、ジャーナリズム。それぞれに別の価値観や使命があり、一般からは理解し辛いものが多い。

なのに、人は自分のまわりの情報をもとにして、自分がいる業界の、自分が持つ価値観を他者に押しつけ、受け入れないと非常識だ。無礼だ。失礼だと批判する。そして、自分の持つ情報と価値観だけで「私は女優になれる」「タレントになれる」と判断。間違った努力に時間を注ぐ。町興しのための映画作りも同じ。他県の人が見たいと思わない映画を努力して作ってしまう。

僕がこの数年感じることも同じところから来ている。その町のために必死で映画を作っても「ギャラを取るのか? 金のためにやっているのか?」と批判する地元人が出てくる。最初は応援してくれたのに、最後は批判され毛嫌いされることもある。映画製作や映画人のことを知らず、ご近所付き合いで大事なことと、自分たちの価値観、習慣を押し付けてしまうからだ。

でも、同じ日本人。日本語で話し、基本的な常識は同じ。玄関で靴は脱ぐ。朝会えば「おはようございます」という。そんな交流の中で「同じ人間」と思い込み。相手をより深く知ろうとはせず次第に細かな習慣等を、無意識に押し付けてしまう。揉めると

「裏切られた!」「失望した!」

になってしまう。映画人が正しいというのではない。映画を作るときは映画界の方法論で進めるべきということ。そこにご近所付き合いの常識を持ち込むのは違うというだけだ。


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戦場ジャーナリストに対して、海外旅行と同じ視点で考えるから批判する。旅行で危険なところに行く必要はないが、ジャーナリストは危険なところに行くのが仕事だ。小説家に「いつもブラブラしている」と批判するのと同じ。本質を知らないから、当て外れな批判となる。映画学校の生徒から「映画監督になると、月にいくら収入がありますか?」とよく質問されるが、それも同じ。会社員の常識で聞かれても答えにくい。

ボランティアで撮影現場に来た人が「タダ働きさせられた」と怒るのも同じ。ボランティアの意味が分かっていない。そして地方映画が完成したあと、ボランティアでエキストラ出演した人が、

「映画館の招待券くらいくれてもいいのに!」

とよくいうが、それも同じ。「お金はもらえないが、がんばったのだからせめて、招待券くらいは!」という発想だが、それは友達付き合いの理屈。

「引っ越しを手伝った。バイト料はなしで了解している。でも、せめて飯くらい奢れよ」

それを映画製作に持ち込んでいるのだ。ボランティアは友達付き合いではない。最初に記念品がもらえるという約束があれば別だが、それをあとで求めるのは違う。そもそも友達関係の習慣を映画作りに持ち込むのが間違い。

全てに対していえること。人はまず自分の持つ情報お価値観で判断しようとする。それが別の国でも、別の業界でも、別の町でも、そうする。受け入れられないと怒り、失望し、自分は被害者だと思い込み、相手を憎み批判する。

では、国や業界だけではなく、時代はどうだろう? バブル期に青春を過ごした人と、平成不況に生まれ現在、青春を送っている人は? 価値観が違うはずだ。昭和生まれと、平成生まれと、来年以降の新しい年号で生まれる人。20代と30代と、50代と、70代。習慣も価値観もそれぞれに違うはずだ。

最近、先輩や友人で、ズレているなあと思えることが増えて来た。それらの人たちは、時代に取り残されているのだろう。過去の時代の価値観で判断する。だから、正確な判断ができない。間違った答えを出してしまう。なぜ、そうなるか? 新しい時代を感じる情報が得られていないからだ。田舎に引きこもる。同じ仲間としか会わない。ネットをやらない。間違ったテレビ情報しか得ていない。それが原因だ。


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僕が気になり記事にする問題。すべて同じ背景。これたぶん時代のキーワード。変化していく価値観や常識。それを掴めないと時代にとり残されるということ。つまり、大切なのは情報だ。情報がないから、手持ちの情報をもとにしてしまう。古い情報で判断うる。

映画業界や芸能界を誤解するのも、その世界の情報がないからだ。まず、情報を仕入れること。俳優を目指すにも、地方映画を作るにも、戦場ジャーナリストを語るのでも同じ。自分の持つ、自分の世界の情報だけで判断してはいけない。

そして情報には正しいものと、不正確なもの、そしてデマがある。それを見ぬくこと。その上で考えること。その辺が時代のキーワードではないか? 

え? トランプの話? それも同じ。いずれその辺も記事にさせてもらうが、日本のマスコミ情報だけではトランプの正体は見えて来ない。安倍とトランプを同列で語るマスコミもいるが、大間違い。その件も含めて、情報の大切さ。改めて痛感する。


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俳優の卵たちへ=成功者の言葉にヒントを探し、夢を追う>矢沢、マネーの虎、小室哲哉? [映画業界物語]

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【成功者の言葉にヒントを探し、夢を追う=矢沢、マネーの虎、小室哲哉?】

矢沢永吉は今も東京ドームのチケットが完売する人気アーティスト。その彼が30年ほど前に出した自叙伝「成り上がり」。

「誰もがビッグになれる道を持っている」

と書いた。その後、1980年代前半。彼がNHKの番組に出演したとき、「矢沢さん。若者にメッセージを」と言われた。番組側は若者への激励を期待していたようだ。が、矢沢はこういった。

「俺が何を言っても、やる奴はやる。やらない奴はやらない」

随分、突き放した言葉だった。が、当時、学生映画をやっていた僕は納得する部分もあった。映画監督を目指して全国から集った若者たち。8ミリ映画を作り、認められ、メジャーデビューすることを夢見た。が、夢を語りながらカメラを手に取らないもの。映画を撮ってもすぐ諦めて故郷に帰る者。

何度も励まし、一緒に監督になろう!と伝えても無言でいなくなる者も多かった。逆に、自分の夢を着実に追い、目標とする仕事についた友人も1名いた。矢沢の言う通りだ。

「やる奴はやる。やらない奴はやらない」

その後、僕はかなりの年月をかけて監督デビューした。俳優を目指す卵たちと数多く出会った。そのときのことは前回の記事で書いたが、夢追う彼らを見て、昔の自分や消えて行った仲間のことを思い出した。がんばってほしい。僕は応援してくれる人がほとんどいなかったので、余計にそう感じた。

高校時代に映画監督になりたい。映画を作りたい!と思った。が、当然、親、親戚、教師は皆反対だ。「世の中甘くない」と口を揃えて言った。映画学校に行き、学生映画を始めた。

「この作品でプロに殴り込む」

でも、同級生たちはこう言った。

「プロの世界はそんなに甘くない」

その後、学生映画ブームは終焉。僕は思うところがあり、LAに留学。憧れだったUSC(南カルフォルニア大学)の映画科に学んだ。そして帰国。アルバイトをしながら、シナリオを書き続けた。それを映画会社に持ち込んだ。が、こう言われた。

「よく分からないストーリーだね。何ともならないよ」

昔の同級生にはこう言われた。

「あのまま日本にいれば、Vシネマくらい監督できたかもしれないよね?」

否定、批判、無視、そんなことばかりだった。矢沢永吉の本を思い出す。彼はデビュー後、かなり酷い契約をレコード会社と結んだ。メンバーは気にしていなかったが、矢沢は怒っていた。で、彼は勉強を始める。印税について、契約について、興行について、

やがて、最初のバンドであるキャロルを解散。ソロデビューする。そんな矢沢。レコード作りも、最初は作曲と歌だけ。それがプロデュースも担当。テレビ出演はしないという戦略。全国で100カ所コンサートを何年も続けた。

キャロル時代のメンバー。ジョニー大倉。「笑っていとも」のテレフォンショッキングに出演したとき、タモリに聞かれた。ー矢沢永吉ってどういう人なの? こう答えた。

「大阪商人ですね!」

なるほどと思えた。矢沢はアーティストであると同時に、商人であり、ビジネスマンなのだ。

帰国してから壁にぶつかると、著名人の生き方を調べた。皆、どうやって夢を掴んだのか? 目標を達成したのか  矢沢永吉は昔から興味を持っていたので、テレビ出演やインタビュー記事を知れば、必ずチェックしていた。矢沢だけでなく、皆、壁にぶつかったとき、考えている。

何が悪いのか? 何がマズいのか? なぜ、理解されないのか? なぜ、うまく行かないのか?

当時、人気だった番組。「マネーの虎」一般人が夢を語り、その事業をする金を投資してもらうという趣向。スタジオに並んだ金持ちたち(虎)を説得できれば投資が受ける。皆、事業に成功した社長たち(ただ、その後、多くが倒産しているが)役線錬磨のオヤジたちだ。

ある回。事業がうまく行かない依頼人。次こそは!と、プレゼンした。虎の一人がいう。

「なぜ、君の事業はうまく行かず、僕らは成功したんだと思う?」

「さあ、俺の努力が足りなかったんじゃないですか?」

僕も依頼人と同じ答えを持った。が、虎の言葉は予想外だった。

「努力じゃないよ。考え方が間違っているんだよ」

がーーーーーーん! 努力じゃないんだ........。確かにその通りだ。努力しても間違った方法に努力したら、何の意味もない。大事なのは「考え方」なんだ!その考えが正解だったから、虎たちは成功した...。思えば、矢沢永吉を始め、成功者たちも、ほとんど同じ。当時大人気だった小室哲哉も近いことを言っていた。

でも、考えて正解が出る訳ではない。仮説を立てるということ。***を作る。***に持ち込む。***社はその手のカラーが好き。きっと採用される。でも、そんなことは虎に言われるまでもなく、やっていた。が、あの言葉で確信になった。

あとで考えると、当時、僕が考えていたのは売り込み方でしかなかった。もっと大きな枠で考えること大事だと思えた。映画会社は腐り切っているので、何を持ち込んでもダメ。人気原作とか人気俳優しか理解できない。感動的な脚本を求めてもいないし、読んでもその価値は分からないのだ。

考え方と同時に運も大切だ。ちょっとした出会い。そこから大きなチャンスに繋がることがある。バイトを休んででも、参加したことで展開する。バイト休むと来月の生活が....と思うが、それではチャンスと出会えない。

そう感じて、ある年の忘年会。1ヶ月間、毎日参加した。30個の忘年会ー業界のーに出たが、何ら繋がることはなかった。営業でうまく行ったことも一度もない。が、思いかけないことでチャンスが転がって来たことも多い。

先輩からの1本の電話。たまたま、バイトが休み。翌日から撮影。来てほしい。という即決して参加した。携帯のない時代だ。もし、その日、バイトをして電話に出れなかったら、別の者に電話したと、あとで言われた。

その1本の電話から、数年後、監督デビューに繋がる。そんな話をよく俳優の卵たちにしたが、それを理解したからとチャンスが舞い込む訳でもなく、やがて夢破れて消えて行く。そして世代が変わり、今の若い奴にもそれを告げるが、やはり「バイトがあるので」とチャンスを潰す奴がいる。久々に思い出したのが矢沢永吉の言葉。

「俺が何を言っても、やる奴はやる。やらない奴はやらない」

誰かに教わるのではなく、自分でヒントを探して、考えて、実践する。言われても、それは身にならない。僕は何か言ってくれる人がいなかったので、今の若い連中には伝えたいと思っていた。が、自分で答えを見つけることで、大きなプラスになると今は思えている。見つけてほしい。自分なりの「考え方」。そして「その答え」を。


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沖縄戦勉強を少しお休み。編集作業を少々?=実力派俳優がかけもちしない理由が分かる気がする。 [11月ー2018]

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沖縄戦勉強を少しお休み。編集作業を少々?=実力派俳優がかけもちしない理由が分かる気がする。

先日、静岡県まで行き、ちょっとした撮影をした。関係者に「黒澤組の撮影みたい!」と言われるくらいに、有長で余裕のあるものだったが、帰京すると異常に疲れていた。たった2日なのに?

あまり考えなかったが演出というのは、もの凄い神経を極度に使う。2日でもヘトヘトになるのだろう。よく、それが昨年の猛暑の夏に何週間も撮影したな?と思えたりする。

舞台挨拶でも、30分でヘトヘトになる。太田組は僕が司会進行をするので、これまたもの凄く神経を使う。俳優たちにいい話をしてもらい、お客さんにも喜んでもらい、そして俳優たちは「がんばってよかった」と思ってもらえるように心がけ。演出を考えて進行する。

1時間もののテレビ番組。或はニュース番組の司会者も同じはず。たぶん、番組が終わるとヘトヘトだろう。それは俳優にも言える。2時間の舞台。出ずっぱりで演じるには、もの凄い神経を使うはず。この辺、皆、共通するだろう。

ただ、見ている分には面白く、楽な仕事に思える。まさか、30分の舞台挨拶でヘトヘトとは思わないだろう。それが今回は2日間の撮影。帰京した日はやたら眠くて、バタンQだった。翌日も調子が出ず、ダラダラ仕事。ま、歳のせいもあるだろうが。

そんな訳で、その映像の編集。さらに内緒の編集作業があり、沖縄戦の勉強を一時休止して、そちらにかかっている。先日まで「ザ・パシフィック」を見て沖縄戦に参加しているような気分になっていたのに、その世界から抜けて、編集モードに切り替えねばならない。が、ギャラが振込。配給会社とのやり取り。関係者との連絡もあり、しゃべらないといけない。

編集をするには編集の霊を呼ばないと(?)ならないが、電話で人と話しをしていると霊は来ない! まあ、カタギの方にそういっても、頭おかしいとしか思われないが、作業以上にそのモードに入ることが一番苦しい。

俳優業も同じかも。掛け持ちで2つ3つの作品を演じる人がいるが、一時期に一本と決め、掛け持ちをしない俳優さんもいる。先日、亡くなった樹木希林さんもそのお一人。役から抜けて別の役に行くのが大変なのだと想像する。そして疎かになる。僕の場合はシナリオ、編集、日常とモードが違う。それを短期間で変更するのが困難。

という訳で、しばらくは編集作業。詳しい話は順次、報告していく。


              https://okinawa2017.blog.so-net.ne.jp



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俳優の卵たちの応援をやめた理由。自分の力で気付くことの大切さ? [映画業界物語]

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俳優の卵たちの応援をやめた理由。自分の力で気付くことの大切さ?

その昔、もう15年以上前になるが、毎月、フリーのワークショップをしていた。俳優の卵たちは貧しかったこと。彼らが事務所で受けるレッスンが何の役にも立っていないこと。とてもやる気があるのにどうすればいいか?分からない子たちが何人もいて、放っておけなくてワーックショップをしていた。

が、演技力以前に、俳優とは何か?が分かっていない子もいて、芸能界のルール以前に一般常識も欠けている連中もいた。それでも俳優になる夢は本物で足掻き続けていた。僕も真剣にかかり、実力を付ければ自分の作品に出演させよう。と考えていた。ただ、以前書いたように、オーディションのチャンスがあっても

「バイトあるので行けません」

という奴がいた。そんなときは速攻で呼び出して説教。皆、しっかりと説明すると、理解した。小さなチャンスがどれだけ大事か? 大きなチャンスがいきなりやって来ないこと。プロデュサーが「君は才能ある。次回作に出したい!」なんて言って来ないこと。自分から実力を示さないといけないこと。分かってくれた。

それでも、若き俳優の卵たちは潰れて行った。恋人と揉めて落ち込みやる気をなくしてしまう。バイトバイトに明け暮れ何もしない。演技よりも友達付き合いが大事。何度レッスンしても延びない。

夢を諦めた訳ではないが、病気で続けられなくなった子もいた。そうして1人消え、2人消え。数年で誰もいなくかった。1人だけ今もバイトしながら、俳優らしきことを続けているが、エキストラ的な仕事しかしていない。

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時間を使い応援、飯を食わせたり、別の監督を紹介したり、オーディションにも送り込んだが、誰もその成果を出していない。僕の作品に出た子たちもいたが、その後は全然ダメ。そんなとき知り合いのマネージャーから言われた。

「僕らの事務所には何百人という俳優志望の子たちがいます。レッスンをさせ、特訓し、いろんな経験をさせ、育てて行きます。でも、その中で売れるのは何百人に1人。ほとんどがダメになります。監督が応援していた子たち、10数人しかいない。全員が諦めたのも当然ですよ。

それが普通。監督は監督なのですから、俳優を育てる仕事ではありません。それは僕らの仕事。いずれ夢破れ去って行く子たちに時間を裂くより、いい作品を作ることに時間を費やしてほしいです」

そうかもしれない….。当時はVシネマ、深夜ドラマ、のような仕事しかしていなかった僕も、やがて劇場映画を撮り、映画監督デビュー。経済的には苦しかったが、怒濤の戦いで5本の映画を撮った。企画、脚本から、監督、編集、宣伝までするので、とにかく忙しい。若い子たちの応援ワークショップをする余裕もなくなり、10年以上が過ぎた。

その後も、若い俳優たち、俳優の卵、とは出会った。彼らもまた、熱い思いを抱え、がんばっている。が、良かれと思いバカなことをしたり、せっかくのチャンスを逃したりしている。あるとき、見かねて、その1人にメールした。ら、

「じゃあ、どこが問題なのか? メールしてください」

と返事が来た。ま、昔なら飛んで行って説教!だが、今は映画制作で常に多忙。それを彼は知っている。Facebookを見ていても分かるだろう。

また、僕は彼の師匠でもなく、マネージャーでもない、身元引き受け人でもない。そんな相手にメールで問題点を書いて送れというだろうか? 医者にメールして、自分の病状を詳しく知らせてくれというようなもの。


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その件を含めて、最近思うことがある。あれこれ言ってもダメな奴は延びないし、出来る奴は言わなくても延びて行く。僕が元々ダメな奴だったので、それでもあれこれ考えて、この業界で生き延びきた。だから、ダメな奴を見ると応援したくなるが、アドバイスして、説教して、飯を食わせて、応援して、飛び立った奴はいない。

努力の仕方が間違っている。そして、俳優という仕事への勘違い、思い込み、過大な期待、演技より有名になりたい思いを優先。恋人と揉めたら芝居ができなくなる。

つまり、演技論やレッスンではなく、人間としての問題を解決することが先!ということが多い。僕があれこれいうべきではない。考えた。例えば僕が説教する。

「有名になりたいーでは俳優になれない」

「小さなチャンスを繋いで大きなチャンスに繋げる」理屈では納得する。が、同じ失敗を繰り返す。これは親子関係と同じだと思えて来た。親は細かいことをあれこれ言う。子供は「うるさいな」という。子供が「俳優になりたい」という。親は「無理だ。現実を見ろ」という。子供は納得しない。

これと同じ構図かもしれない。ま、内容は真逆なのだが。共通すること。言われても子供たちは分からないということ。学ぶとはどういうことか? 言葉で言われたり、文章を読んだりということはある。

が、多くは体験から学ぶのだと思える。痛い目に遭う。苦しい思いをする。バカを見る。ダマされる。利用された。そんなことがあって

「やってられないな!」

と諦めるのなら、その程度の夢だ。それでも続ける。やめられない。じゃあ、どうすればダマされないのか? チャンスを生かせるのか? そこから反省し考えてこそ、飛び上がれる。その屈辱の体験が大きなプラスになる。俳優を目指す者だけでなく、ミュージシャンでも、作家でも、画家でも、漫画家でも、いや、商売だって、職人だって同じだろう。


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特に若い子はちょこちょことやって、早く有名になりたい!というタイプが多い。だから1年がんばってダメなら諦める。それはもともと真剣ではなかったということ。もし、そこで

「1年じゃ無理なんだ。5年がんばってみよう!」

と思えれば可能性がある。やはり僕が1人1人を応援し、説教してまわることに大きな意味はない。牧師ならそうやって1人1人を説いて回ることも意味あるかもしれない。が、本来の仕事は映画監督。

よく知る若い連中が明らかに間違った方向に努力しているのを見るのは辛い。が、それで1年を無駄にするのを止めるより、1年も月日を無駄にしたことで後悔して、次の1年を有意義なものにできるなら、その1年は無駄ではない。

そこを親心で、無駄にしないように、間違わないように、うるさくいうことに意味がないと思えて来た。だから今は若い子たちに直接応援はしない。ただ、何かのヒントになるように、Facebookやブログではその種の記事を書いている。それを読み、何かに気付いてくれれば嬉しい。

あと悲しいのは俳優という職業を目指しながらも「覚える」ことしかしない長年の教育で、多くが「考える」力がないこと。結構有名な大学を出た子でも、その力が乏しい。どの業界にも、どの世代にも言えることだが、

「考える」ことに気付かなければ、この混迷の時代は生き延びることができない。

新しい情報を得て、そこから道を考える。結局、この問題もそれが答えだと思える。1人1人の応援はしないが、俳優を目指す人たち。何とか自分なりの道を見つけ、夢を掴んでほしい。



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