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【良かれと思って口出しする親。でも、大切なのは子供自身が傷つき経験すること?=俳優業も同じ?】 [my opinion]

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【良かれと思って口出しする親。でも、大切なのは子供自身が傷つき経験すること?】俳優業も同じ?

俳優の卵たち。或は売れない役者たちは、アルバイトをしながら劇団を続けたり、小さな事務所に所属。オーディションを受け続けている。が、1年経っても2年経っても、まともの仕事ができない。いや、1年2年なんて当然、10年やっても劇団でメインの役ができずにいる。テレビ、映画でもエキストラの様な役しかできない。

「それでも、いつか俳優として花開きたい」

厳しい芸能界でがんばる若手の役者たち。或は卵たち。考えると僕の息子、娘と言ってもいい年齢だ。30歳のときに結婚して、子供ができていれば、もう20歳を超えている。ま、30歳当時は毎日が戦いで、とてもそんな余裕はなかったが、同世代を見ていると、子供たちが大学を卒業している。そうか、感覚としては後輩というより、息子、娘という世代なのだ。

僕は散々、親から映画監督を目指すことを反対されて来たので、若い人たちが夢を追うときは応援する。10代から映画監督を目指していた。今、どーにかこうにか?その仕事をしている。監督だろうと、脚本家だろうと、俳優だろうと、やればできると思っている。が、もし、娘がい「女優になりたい!」と言い出したら、どうしただろう?

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男なら、自由にやればいい。けど、娘なら心配になる。酷い目に遭ってほしくない。悪い男にダマされないか? 事務所に枕営業をさせられないか? と、僕自身が業界にいて、魑魅魍魎のような人々と出会って来たので、リアルに心配するだろう。といって、自分も若い頃に親からあれこれ反対されたから、娘に反対するのは違う。逆に映画業界で仕事をしているので、あれこれアドバイスできるはずだ。

例えば事務所が主催するレッスン。演劇学校でもそうだが、そこで演技力が劇的に磨かれたりしない。実際にカメラの前に立つ、舞台に立つことで実力が延びる。或は、監督やプロデュサーの飲みと聞くと、飛んで行く新人女優がいる。営業し、仕事をもらおうとする。が、そんなところで

「君、いいね。次の作品で探している役ができるかも? 今度2人で飲みに行こう」

と誘われるのが関の山。真剣に役者を探そうなんて思う者はいない。でも、「役がもらえれば!」と、必死に飲み会に通う子もいる。が、そんな時間があれば演技力を磨け。自主映画でも、マイナーな舞台でも、芝居をするチャンスを探すべきなのだ。そして、自分の個性を探すこと。どんな役が得意か考えること。以前から、若い人たちにはことあるごとに、そんな話をして来た。が、以前、教えていた演劇学校で、こんな男の子がいた。

「僕は間もなくブレイクします。でも、主役しかやりません。ゴールデンのドラマしか出ません。深夜ドラマなんて依頼が来てもでないつもりです」

こんなバカ。本当にいるんだ!と思った。自己陶酔型で「俺は他と違うんだよ」と思い込んでいる。が、大なり小なり、俳優になりたいという人は近いところがある。若い内は特にそうだが「飛行機が墜ちても自分は死なない!」と思うようなところがある。同じように「俺は芸能界で成功する!」と何の経験もないのに思い込んでしまう子が多い。


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要は芸能界を知らない。経験がない。想像力がない。だから、安易に成功すると思い込む。自分より不細工な男がJ系で売れている。「俺の方がかっこいい。だから売れる!」という安易な想像をする。ただ、そんな思い込み、ある種の妄想(?)は大切だ。思い込む力があるから、他人を演じられる。別人に成りきれる。ただ、その力があるから勘違いして「俺は売れる!」と思い込んで努力しない。

おもしろいことに、僕が教えていた勘違い君。そこそこ芝居ができた。抜群に上手くない。でも、まずまずできた。それもマイナスだった。そのために、努力を怠り、更なる勘違いを起こる。

「学校の舞台発表程度では全力は出しません。僕が真剣に芝居するのはドラマで主役をやるときです」

だったら、どうやって自分の実力をドラマのプロデュサーに伝えるのか? 彼はいう。

「見る人が見れば、分かりますよ」

んーー。さらなる勘違い。多くのプロデュサーって本当にバカなんだよ。見る目なんてないんだよ? それ知らないの? と思ったが、何を言ってもこうだ。

「まあ、見てて下さいよ。映画で主役やったら、試写会に呼んで上げますから!」

その試写会を楽しみにしていたが、あれから30年以上経つが連絡もなく、彼がドラマに出たという話も聞かない。無知というのがまず問題だが、あれほどの思い込みが強いのなら、それを芝居に生かせたのでは?とさえ思う。なのに、全力で芝居をしない。業界を嘗めてかかる。結局、消えて行った。

その後もいろんな新人に出会ったが、何を言っても消えて行く役者たちが多かった。理由は、言われたからと、それを実践できないこと。楽器の弾き方を教えても、うまくなるものと、結局は弾けずに諦めるものが出るのと同じ。もちろん、僕の助言が間違っていたのかもしれない。が、一番大きな理由は、言葉でいくら言われても、本当の意味で実感できないこと。

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納得はする。けど、活用できない。人は経験して、その意味を知る。風邪を引いたことのない人に、熱が出て、咳が止まらない苦しさをいくら言葉で説明しても実感できない。自分が風邪を引いて始めて「こんなに大変なのだ...」と気付く。俳優業も同じだ。

そして、厳しいことを言う人より、甘い言葉を囁く人を信じたりする。「君は才能あるよ」「すぐにテレビに出られるようになるよ」そんなときは必ず裏に別の理由があるのだが、俳優を目指す人は自惚れているタイプが多いので、ウソだと思わず「この人。よく分かってるな!」と感じたりする。ダマされてみて、分かること。踏みつけられて分かること。いっぱいある。

結局、僕の説教も、親たちの小言と同じではないか?と思うようになった。一見、プラスのようだが、言葉でいくら伝えても彼ら彼女らは実感しない。いや、人というのは言葉だけでは分からないのだ。自分が痛い目に遭うこと。酷い思いをすること。そこで始めて気付く。若手がそんな思いをしないように、あれこれ注意するが、それでは理解できない。むしろ、こう考えたりする。

「監督はあんなこというけど、結局、仕事をもらわないと始まらない。来週、**プロデュサーの飲み会がある。そこに行って親しくなろう」

酷い目遭って初めて実感。男なら、その手は使えないが、女性なら飛びついて来る輩は多い。俳優としては要らないけど、女としては興味がある。「君、いいね。次回作に出てほしいなあ」そんなありふれた口説き文句を連発する。でも、若手俳優は真に受ける子がいる。

あれこれ僕がいうより、酷い目に遭う方が勉強になる?と思うようになった。自信過剰な子でも、1年経ち、2年経ち、5年経ち、それでも売れなければ「何がいけないんだろう?」と考えるはずだ。「俺は売れる!」という根拠のない自信だけで、仕事ができないことに気付くだろう。そう思え、若手たちには何も言わないようにした。


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もちろん、仕事で会ったとき等に、何か訊かれれば、僕なりの意見はいう。が、プライベートで会ったり、飯を食わせたりまでして応援しても、本人のためにならないことが分かって来た。中には親しくなると

「監督に気に入られれば次回作に出られるかも?」

「こんなに監督を応援して、支持しているのに、なんで私を出演させてくれないんですか!」

「俺のこと。監督は分かってくれる」

と思い、遠慮がなくなる。結果、厳しくいうと落ち込み。褒めると「次回作に出られる!」と勘違いされてしまう。応援することで彼ら彼女らをダメにしている。それでなくても、思い込みの強いタイプばかり。

そんなことがあり、今は思う。実の息子でも、娘でも、もし、俳優になりたければがんばればいい。ただ、僕は何もしない。子供たちが自分で考えて、自分で歩き、自分で苦しんで、答えを見つける。それが大切だと思える。僕から見て明らかに間違った方向に歩んでいても、うるさく言わずに見守る。失敗してもそれが経験となるはず。

もしかしたら、俳優業だけでなく、子供たちとの接し方はそういうことが大切なのではないか? 親の経験や知識を押し付けるのではなく、傷ついたら可哀想と、先まわりして注意し知恵を付けるのではなく、子供たちが考え、動き、傷つき、道を探すこと。何だかそんな気がする。

二世俳優の親はどうしているのだろう? と思い起こしてみた。先日、石原良純さんもある番組で、伯父・石原裕次郎に言われたのは3つだけだと話していた。

「遅刻するな」「挨拶はしっかりしろ」

あと何か1つ。大物俳優なのだから、いろんな知恵や経験があるはず。なのに、ほとんど語っていないのだ。たぶん、多くの新人たちを見て来たのだろう。先輩や親からあれこれ言われて潰れて行った若手を知っているのだ。

親は子供たちに幸せになってほしいと願う。だから、どうしても口出しする。でも、それはマイナスになりこそ、プラスにならないことが多い。

愛があるが故にあれこれ言うが、そのことで子供たちと溝ができる。大切なのは、親は口出しせず、子供たちが自身で考えて走り出すこと。親がすべきは、それを黙って見つめ、遠くで応援することだと思えている。


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