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「24」がアメリカのテレビ・ドラマ史を変えた? [映画感想]

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「24」がアメリカのテレビ・ドラマ史を変えた?

「24」が制作されたのは2001年。もう18年も前になる。僕が見始めたのはかなり遅い。正確な年は思い出せないが、「なんか話題になっているので、一度見ておこう」とケーブルテレビで一挙放送があった時に録画。それをかなり後で見た。ら、凄くて! 当時、VHSで録画していたら、1シーズン24話(24時間)が録りきれず切れず、途中で終わっていた。

「何だそれはーーー!」

とレンタル屋に走り続きを一気に見た。その後は毎年、新シリーズのDVDが発売されるたびにレンタル屋に走ったが、何十本もあるDVDが全て開始出し中だったりした。そんな「24」を今、「シーズン1」から見直している。というのも、この作品をきっかけにアメリカのテレビシリーズが以前と違うスタイルで大躍進をしたからだ。

昔からアメリカのテレビドラマは好きで、1960年代の白黒時代からあれこれ見ていた。「タイムトンネル」「宇宙家族ロビンソン」「スター・トレック」「600万ドルの男」「バイオニック・ジェミー」等のSFシリーズから、70年代に入ると刑事ドラマ。「刑事コロンボ」「警部マクロード」「刑事スータスキー&ハッチ」「刑事コジャック」「探偵キャノン」「女刑事ペッパー」

LA留学時もその辺のアメリカ人より詳しかった。流石にジョントラボルタが人気になった「ウェルカム・バック・コター」やマイケルJフォックスが出ていた「ファイミリータイズ」は日本で放送されてないので見ていないが、(のちに放送されたかも?)存在は知っていた。だから、USCで英語クラスに通っていた時に、スピルバーグ製作のテレビシリーズ「アメージング・ストリーズ」をオンタイムで見られたのは超嬉しかった。

話が逸れた。そんなアメリカのテレビドラマを変えたのが「24」だ。これは10年ほど前に記事にした記憶があるが、(それを探してコピーしようと思ったが見つからない!)それまでは1話完結ものだったのが、「24」あたりから続き物に、「つづく」で終わる連続物になった。それによって以前はできなかった物語や表現が可能になった。

が、実は日本ではその手のドラマは昔から存在する。山口百恵が出演した「赤い」シリーズがまさにそれだ。大河ドラマだって、連続物。それが意外なことにアメリカでは2000年代までなかったのだ。もちろん「逃亡者」等は「片腕の男」を探して旅するという一貫性はあるが、ドラマは毎回完結し、次の街へという形だ。

「24」はそれらを連続物にしただけでなく、これまでになかった様々な手法でハラハラドキドキのドラマを描き大ヒット。その影響で「プリズン・ブレイク」「ヒーローズ」等の同じスタイルのドラマが登場した。ま、本当の元祖は「ロスト」なのだけど、それを押し上げたのが「24」だと思える。また、本論を書く前に字数が多くなったので、また次回。


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「クレヨンしんちゃん オラの引越し物語 サボテン大襲撃」=シリーズ近年の最高傑作! [映画感想]

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「クレヨンしんちゃん オラの引越し物語 サボテン大襲撃」=シリーズ近年の最高傑作!

もう3−4年前になるのか、シリーズ中でもベスト3に入る。近年ではナンバー1の出来だ。それも隠しテーマが原発問題! 

詳しくはこちら=>https://cinemacinema.blog.so-net.ne.jp/2016-04-02-5

しかし、悲しく深刻な物語ではなく、ハラハラドキドキさせて、感動、泣ける物語になっている。基本「しんちゃん」はそのスタイルなのだが、このエピソードは特によく出来ている。もう、野原一家を応援せずにいられない。シロ(飼い犬)や赤ちゃんのひまわりさえも頑張る。このエピソードではスマホ依存の少女が出てくるのが、その子もとてもいい。

で、最近気付いたのだけど、僕の映画スタイルととても似ているということ。事件が起こり、ハラハラドキドキして、感動して泣ける。一番近いのは「明日にかける橋」この物語も家族が力を合わせて、弟の健太を助けようするが、「しんちゃん」でも、ひまわりやしんちゃんを両親が助けるために奮闘するのが基本。家族の絆の物語なのだ。意外な共通点。

昨日は映画館で新作を見て、帰宅してamazonプライムで「爆睡! ユメミーワールド大突撃」をさらに見てしまった。どれもレベル高い!


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「クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン 〜失われたひろし〜」面白い! [映画感想]

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「クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン 〜失われたひろし〜」

このところamazonプライムで「しんちゃん」映画全制覇を目指して何本か見た。が、どれもレベルが高く、毎日観るには勿体ないので、急がずに制覇を目指すことにした。と思っていたら新作が公開。映画館へ向かう。

今回はオーストラリアにひろしとみさえが新婚旅行? 小さな島で巻き起こる花婿騒動。いつものようにハラハラドキドキ。そして爆笑。「インディジョーンズ」を思わせるトロッコの場面もあり、最後は「キングコング」? さらに、「東京ラブストーリー」か!というトレンディドラマ風の演出があり、泣かせる。

しかし、思うのはこの映画、本来は子供向きなのだが、子供を連れて行った親たちが楽しみ、そして忘れている何か、大切な何か?を教えてくれる物語になっている。「オトナ帝国の逆襲」なんてお父さんが号泣してしまう超名作。一緒に行った子供が不思議そうに父の顔を見ていたという話も聞く。

また、時折、社会ネタも扱う。原発問題、食品添加物問題。ボート見ていると分からないが、「しんちゃん」は社会派ドラマでもある。

「トーイストーリー」のピクサーも名作が多いが、中には「え?」という大外れもあり、その意味では「しんちゃん」の打率は凄い。ちなみに僕がお勧めのエピソードはこちら。それぞれにエンディングで拍手せずにはいられない。そして、やはり「オトナ帝国」はナンバー1。お父さんは必ず号泣です。

爆発!温泉わくわく大決戦

嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲

オラの引越し物語 サボテン大襲撃

爆盛!カンフーボーイズ~拉麺大乱~



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「ベストキッド4」観た。そんなのあったんだ? [映画感想]

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「ベストキッド4」観た。そんなのあったんだ?

オリジナルタイトルは「カラテ・キッド」1は留学前。2、3はLAで。1は大興奮!アメリカ映画で活躍する日本人に胸おどる。2は少し変な映画。3は結構面白く観た。知り合いのアメリカ人はこの映画を観てしばらく「**さん」と日本人を呼んでいた。

4があること知らなかった。帰国してからの公開。今回はダニエルさんではなく、女性が主人公。これは正解。マンネリを防ぐ。ただ、監督がジョンGアビルドゼンではない。そして、製作費もかなりB級の感じ。空手大会もない。

クライマックスは波止場で喧嘩。設定もかなり無理がある。パット・モリタのアクションも冴えない。元々カラテができる人ではない。お坊さんの描写が奇妙。何だかんだブロンソンの「デスウィッシュ」シリーズの最後の方に似たシリーズの知名度に頼っただけの安易な作品。

この後に1作目がリメイク。パット・モリタの役をなんとジャッキー・チェンが演じた。「カラテ・キッド」ではなく「クンフーキッド」だが、タイトルは「karate Kid」だった。後、1作目のミヤギ役。候補は高倉健だったという。でも、これはパットさんでよかった。

この後、パット・モリタは亡くなる。日系人でハリウッドで活躍する人は少ない。そんな1人が逝ってしまった。最後に彼の活躍。観れたことはこの作品の価値。


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この春、「運び屋」と並ぶ名作!素晴らしい。現代の「夜の大捜査線」である [映画感想]

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この春、「運び屋」と並ぶ名作!

素晴らしい。

現代の「夜の大捜査線」である。




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「アクアマン」予想以上に面白い!まさに夏休み映画。春前だけど。 [映画感想]

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「バットマン」も「スーパーマン」も子供の頃から知っているが、「アクアマン」なんて知らない。「ジャスティスリーグ」で初めて知った。そのアクアマンの単独主演?作品。

最初、僕らの世代だと「あー『海のトリトン』実写版だなあ」と思う。少し住むと「これは海の『スターウォーズ』かあ」と感じ。それで最後まで行くと思ったら「インディジョーンズ」になり「007」になる。

えええ?と思っていると「アーサー王物語」になり、ああ、だから主人公の名前はアーサーか!と気づく。ハラハラ、ドキドキ、感動して泣けて、満腹の夏休み映画!(という感じ。春休み前だけど)



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「ボヘミア・ラプソディ」③ 共感したこと。音楽も映画も同じ! [映画感想]

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「ボヘミア・ラプソディ」③ 共感したこと。音楽も映画も同じ!

クイーン・ファンだけでなく大人気で、あちこちで評判を聞く。フレディ・マーキューリーの人生というだけでなく、いろんなことを感じた。

「ボヘミア・ラプソディ」のレコーディングシーンでもそうだが、曲が作られて行くのと映画作りが凄くダブった。「ここでコーラスを入れよう」とか「ここで手拍子」そうやって個性的ある歌を作る。

映画も同じで、撮影のときなら「ここは手持ちカメラで臨場を出そう」「ここはワンカットワンシーン」とか考える。編集時なら、「ここは画面を白黒にしよう」「ここは赤みを入れる」「ここは1秒のカットで連続する」そんなことで個性的な作品にしていく。音楽も映画も同じだ。

クイーンの曲が6分あって長過ぎて、レコード会社と揉めるのも共感する。映画も2時間を超えると映画館が嫌がる。1日に上映できる回数が減るからだ。それが分かっているのでプロデュサーが編集時にうるさくいう。DVDにするときも、2時間を超えると面倒だからだ。

しかし、僕の映画は毎回、2時間超え。前作の「向日葵の丘」は2時間20分。今回の「明日にかける橋」は2時間11分だ。必ず同業の友人が「10分くらいなら切った方がいいよ」と言いに来るが、絶対に切らない。2時間できる話を2時間11分で描いている訳ではく、2時間11分必要な物語なのだ。

だから、フレディたちがレコード会社のいいなりにならず、拒否し続けるのはとても共感する。「We will Rock you」誕生のエピソードも面白かった。観客が歌に参加するという発想。僕は「青い青い空」という映画のときに、クライマックスは観客が映画の客ではなく、物語の中の大会を見ている観客の気持ちになるような撮影と編集をしてみた。観客が映画に参加することができる。

「同じことは二度しない」

とメンバーがいう。映画も同じだ。クリエイティブはどの世界でも同じ。ここしばらくクイーンを毎日、聴いている。



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映画「ボヘミアン・ラプソディ」②=表現者の人生をとは?悲しみを癒すために作品を作り続けること [映画感想]

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【映画「ボヘミアン・ラプソディ」②=表現者の人生をとは?悲しみを癒すために作品を作り続けること】

映画を観てから1日経つが、まだ衝撃が続いている。僕は中学時代から映画ファンだったが、映画以上に音楽を聴いていた。

ただ、映画に関しては好きな監督や俳優がいれば、背景や経歴を調べたりしたが、音楽に関しては自伝を読んだりはしなかった。スピルバーグには会ってみたかったが、ミックやポールに会いたいとは思わなかった。歌を聴くことで十分、彼らの思いや人生を感じると思っていた。

だから、バンドメンバーの名前は知っていても、フレディー・マーキュリーのプロフィールは知らなかった。てっきりイギリス人だと思っていたが、映画を観てインド出身だと初めて知った。厳格な家庭で育ったことも知らなかった。ゲイで派手な人とは知っていたが、結婚して、その人と生涯、友達でいつづけたとは知らなかった。以前、記事に書いたこと。

「アーティストは悲しみを癒すために作品を作り続ける」

まさにそれを体現したのがフレディーだ。父親に愛されない。ゲイであることの辛さ。妻との溝。仲間との葛藤。そんな苦しさから生まれて来たのが数々のヒット曲。「ボヘミアン・ラプソディ」はまさにそれだ。歌詞を読むとフレディーそのものだ。

そして、曲がヒットしても、有名になっても、金持ちになっても、その苦しみは拭われず、より孤独になっていく。魑魅魍魎やコバンザメはたくさん寄って来るが、本当に愛する人は離れて行く。有名人が人嫌いになり、壁を作るのはそこに背景がある。

俳優の卵に会うと「有名になりたい!」という子がよくいる。が、有名になることのメリットしか知らない。有名であることがどれだけ悲しく、辛いことか? デメリットの方が多いことを知らない。そしてお金や名誉が何ら心を癒すものではないこと。多くのアーティストを見て感じる。最後にフレディーは言う。

「音楽を作り聴いてもらうことが、俺の人生の意味だ」

胸に突き刺さる。俳優でも、作家でも、歌手でも、芸人でも、映画監督でも同じ。最後はそこであること。改めて感じる。テレビに出る。月9に出る。CDを出す。インタビューを受ける。雑誌に掲載される。そんなことに憧れる若い人たちがいる。そんなことばかり語る。でも、大切なのは何を表現するか?なのだ。

フレディーは悲しみと苦しみを歌にして伝え、本当に大切なものを最後に知り、死んで行った。それが表現者の人生なのだと思えた。


この記事=>https://aozoraeiga.blog.so-net.ne.jp/2014-06-21

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映画「ボヘミアン・ラプソディ」① F・マーキュリーが探し続けたもの=心に突き刺さる作品。ぜひ観てほしい! [映画感想]

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【映画「ボヘミアン・ラプソディ」F・マーキュリーが探し続けたもの=心に突き刺さる作品。ぜひ観てほしい!】

中学時代。毎日、ビートルズを聴いていた。高校時代になり、R・ストーンズ?にはすぐ進まず。次に聴いたのはクイーンだった。友人の勧めだったと思うが、大阪キタの東通り商店街のサウナ・ニュージャパンの前にあった輸入レコード屋で「オペラ座の夜」を買った。

「何じゃこれは〜!」

衝撃だった。特に「ボヘミア・ラプソディ」は驚愕した。フレディ・マーキューリーの自伝ともいえる映画「ボヘミア・ラプソディ」を見て、その曲が当時、シングルカットされず、マスコミからは評価されなかったことを知り、驚かされる。

「6分もあるからラジオで流せない? バカじゃないか?」

マスコミだけでなく、レコード会社のPがまずシングルカットを反対した。クリエイティブな業界でもいつの時代も新しいものを拒否する古い人たちがいるということを感じる。でも、そんな作品こそが新しい時代を築く。

映画ではクイーンのデビューから、F・マーキュリーの死までが描かれる。ミュージシャンの伝記映画は心に突き刺さるものが多い。

レイ・チャールズの「レイ」
リッチー・ヴァレンスの「ラバンバ」
ジャニス・ジョプリンの「ローズ」
エルビス・プレスリーの「エルビス」
(これは何と、あのJ・カーペーターが監督でC・ラッセルがエルビス!)

どれも胸詰まる。今回の「ボヘミア・ラプソディ」は特に感じるものがあった。ミュージシャンでも、作家でも、俳優でも、映画監督でも、同じ。傷だらけの魂を癒すために作品を作ること。しかし、名声も、大金も、名誉も、その深い傷を癒すことができないこと。今回の映画でも感じる。

クライマックスは1985年のライブ・エイド。これを僕はLAでテレビ中継を見ていた。USCのドミトリーで。それから30年ほど。いろんなことを感じ、思い出し、心に突き刺さるものを、見つめてしまい、今はうまく感想を書けない。今夜は夜中までクイーンを聴く....。

俳優、作家、映画監督等、表現者を目指す人はぜひ、見てほしい作品だ。

参考に=>この記事=>https://aozoraeiga.blog.so-net.ne.jp/2014-06-21

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マイケル・ムーアの新作「華氏119」何かヘン?どうしたんだろう [映画感想]

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マイケル・ムーアの新作「華氏119」何かヘン?どうしたんだろう

「ボーリング・フォー・コロンバイン」以来、どの作品も素晴らしい。社会問題を分かりやすく解説、批判、ラストは感動さえ覚える。そんなドキュメンタリーがあるとは思わなかった。「華氏911」ではブッシュ大統領を敵にまわす作品。そのムーア監督が今回はトランプ批判の映画を作った。

が、引っかかる。トランプ大統領は非常に評判が悪い。ただ、彼を支持する人たちの声に「ん?」というものもある。実はムーアと同じように、アメリカの恥部を描き続けるオリバー・ストーン監督はトランプを支持している。なぜだろう?

また、これまでのムーア作品には多くの人が気付かない、少なくても日本人が知らなかった事件や問題を取り上げ、鋭く斬り込むことが多かった。が、トランプはすでに多くのマスコミが批判している。それを今さら批判することの意味とは、何か決定的な事実を掴んだのか? いくつも気になる点がありながら映画を観た。

お馴染みのスタイルで映画は始まり、ヒラリーではなく、トランプが大統領になったことを当選発表の日の映像を使い見せて行く。が、すぐに話題はトランプ以外に逸れる。フリント市の水道問題。「トランプも同じことをしている!」と展開すると思いきや、延々と水道問題。確かに酷い話。福島と同じ構図。鉛が入った水道水を飲んで、多くが病気になっているのに、市政は「基準値には達していません」と対応を拒む。

だが、その話題はいつまで経ってもトランプに結び着かない。やっとトランプ登場。その町の水道局に遊説中のトランプが訪れたことを紹介。でも、それだけ。話はその後、銃乱射事件に進み、生徒たちが反対運動を起こす話を紹介する。「ボーリング・フォー・コロンバイン」を彷彿とする。

その後、ようやくトランプの話題になるが、先の2つの話とは繋がらない。ヒットラーがいかにしてトップに立ったか?をトランプの言動に重ねて見せて行く。が、これはトランプの問題を描いたものではなく、「危険なトランプに権力を持たせてはいけない」という表現。でも、なぜ、トランプが危険なのか?が描かれていない。

途中で「トランプは人種差別主義者だ」というよく言われることは描かれる。彼を会場で批判した女性たちが係員に連れ出される映像を紹介。数々の問題発言も見せる。が、それだけだ。移民の親子を別々に収容した。親子を引き離した。酷い。という話も紹介されるが、それはトランプ以前から行なわれていたことで、そのことは解決されたというニュースを聞いている。

とすると、この映画で描かれたトランプの悪業は、差別主義者であること。問題発言をしたということだけ。おまけに水道問題の方が圧倒的に長く描かれている。銃乱射事件もトランプとは直接関係ない。なんじゃこれは? 今までのムーア作品とかなり違う。

ドキュメンタリーでも、ドラマでもそうだが、映像というのは演出次第で、取材対象を悪くも、良くも描くことができる。その一番安易な方法は誰もが「悪人!」と思う過去の人物を重ねることだ。よく使われるのがヒットラー。ムーア監督はその手法を今回の作品で使い、

「トランプは差別主義者だ。だから、ユダヤ人を虐殺したヒットラーと同じようなことをするだろう。危険だ!」

と警告する。が、過去の作品のように、細かな事実に切り込み、その被害を描いてはいない。つまり「危険だと思うよ。ヒットラーになるかも?」という予想でしかない。

思い出すことがある。検察が小沢一郎の事務所を捜査。有罪に持ち込もうとしたのに結局何ら問題は発見されず、無罪になった。イメージとして悪徳政治家だと思う人が多いが、実際は問題なかった。特捜部が何ヶ月もかけて調べて証拠がでないということは何もなかったということだ。「ロス疑惑」の三浦一義もあれだけマスコミに「怪しい」とバッシングされながら、結局、無罪。

怪しい=悪人と攻撃するのはアウト。イメージだけで決めてはダメ。同じようにトランプが大統領になり、2年も経つ。その間に彼が行なった悪業をムーア監督は批判すべき。それが描かれていないというのは、何ら発見できなかったということ? 

だから、直接関係のない水道問題と銃乱射問題を延々と描いた? あるいは、その2つこそがムーア監督が本当に描きたかったことで、そのネタだけで弱いので、今回はトランプ批判という大看板を着けた? 何だかそんな感じさえする。もし、トランプを批判するなら

「ヒラリーが大統領になっていれば...アメリカはこうなった」

という展開もありだ。「ボーリング...」でも銃社会アメリカと、お隣の銃のない社会カナダを比較したように。だがヒラリーの話は冒頭しか出て来ない。そしてヒラリーを描くと、もっとどす黒い事実が出てくるはず。

ただ、おもしろいのはオバマ批判は出てくる。平和主義者のイメージ。良識ある人気の大統領と思われがちだが、そうではない!とムーア監督は斬り込む。先の水道問題。その町にオバマがやってきてスピーチをするが、その問題を隠蔽しようとする市長を庇い、問題を矮小化するような発言。彼に期待した市民は大いに失望する。

また、オバマは記録的な空爆を許可しており、多くの犠牲者が出ている。さらに、これまた記録的な数の移民を追い返している。これらの事実は説得力あり、オバマの正体を暴くものだ。トランプに対しても問題発言があるとかではなく、「こんな酷いことをやっている!」という事実を暴けばいいのに、それがない。だから、ヒットラーと重ねることしかできないのだろう。

ああ、ヒラリー問題も少しあった。本来、全米で勝ち抜いたのはバーニー・サンダースだったのに、それをすり替えヒラリーが勝利したことになったという指摘もある。が、深く追及せずに別の話題に行く。そしてトランプが不正選挙をしたという指摘はない。「なぜ彼が大統領に成りえたか?」についても追及せず「そこに不正がなかったのか?」も触れない。ということは不正選挙はなく、正式に国民が選んだということだ。

では、なんでこんな映画を作ったのか? トランプの政敵から金をもらった? でも大した違反材料が見つからずこうなった? 或は先に上げたように本当にやりたかったのは水道問題? いずれにしても、これまでの彼の作品とは違い。納得も、驚きも、感動もなかった。

確かにトランプは問題発言が多い。見かけも悪の大ボス風。口も悪い。そもそもビフ(?)のモデルだし。イメージはとても悪い。が、それだけで「悪人 !」と決めつけることはできない。ムーア監督であれば、その先に斬り込むべきなのに、描いていることは、ネガティブキャンペーンと同様のものばかり。なぜ、トランプは北朝鮮を攻撃しなかったか?も描かれていない。

そこが一番のポイント。ブッシュのようにありもしない大量破壊兵器があるといちゃもんつけて戦争すればいいのに、していない。でも、そこにトランプの目的があると思え、そこを追及すると、映画が成立しないからだと思える。

映画を見終えて思うのは、「なぜ、ムーア監督がこんな切り込みの弱いトランプ批判映画を作ったのか?」ということ。「論点が逸れまくる映画にしたのか?」批判にすらなっていない。裏に何かあるはずだ。この映画で「アメリカの正義はまだ死んでいない」とか「日本のマスコミは見習うべきだ」という意見があるが、とんでもない。情報を見抜く力を持ちたい。


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