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明日にかける橋」を見直してみた❷ ハラハラドキドキして最後は泣ける作品になっていたか? [明日にかける橋=感想]

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明日にかける橋」を見直してみた❷ ハラハラドキドキして最後は泣ける作品になっていたか?

ちょっと訳あって見直す機会があった。映画の前半について以前書いたので、今回は後半戦について。

最後に見てから4ヶ月だが、かなり冷静に見られるようになる。劇場で何回も観客と共に見ているが、粗ばかり気になって辛いことが多かった。黒澤明は7年経つと楽しめると言っていたが、4ヶ月でも結構距離を置けるようになる。

この映画。タイムスリップものだが、最初は家族ドラマとのうような展開。文劇作品とも言え家族の死と、家族を取り巻く平成不況を延々と描いて行く。タイムスリップも通常のファンタジー映画のように、劇的には描かず、あっさりと進める。橋を渡りだけ。特殊効果なし。シナリオを読んだスタッフが言った。

「ターミネーターが未来から転送されてくるみたな感じじにはしないんですか?」

雷が鳴ったり、人を包み込む透明の球体が出てきたり、爆音がしたりはしない。「バック・トウ・ザ・フューチャー」でも、デロリアンのタイヤ痕が燃えたりしたが、こちらは一切なし。低予算というのもあるが、そこでドラマテックスにするといかにもファンタジー、SFという物語に思えて、現実感がなくなる。

007シリーズも最初は体を酷使して戦うボンド!という感じがリアルだったが、次第に秘密兵器を使い、軽々と危機を切り抜けるようになるので、ボンドがどれだけ絶体絶命になっても、ハラハラしない。これはスパイ映画ではなく、ファンタジーになってしまったかだと思える。

「BTTF」も、とてもよくできている映画だが、ドクが撃たれて「えー」と思うが、悲しみを強く感じたりしない。全編がファンタジックで、コメディ調であるからだ。「明日」を文芸作品調にしたのは、人の死や病気。倒産や自殺。という悲しみを現実的に描きたかったからだ。

そのことで希望や未来も見えて来る。映画の世界の出来事ではなく、観客自身の物語として見てもらえるようにしたかったからだ。とか、思い出しながら後半へ。

ここから刑事ドラマになる。これは太田組作品では初挑戦。物凄く心配だった部分。反省も多い。その刑事パートが終わると、主人公みゆきの活躍がクライマックスとなる。ここはお手のもの。いつものスタイルなので、かなりうまく出来ていると思う。

分かる人には分かる。石松寺(大洞院)のシーンは「史上最大の作戦」なんだなあ。と映画が完成したあと感じた。モロボシ・ダンとアンヌの別れの場面の影響を受けている。この辺からの展開。友人は「太田節が全開!」と褒めてくれた。もう、文芸作品でも、刑事ドラマでもなく、連続活劇のノリ! 

連続活劇というと今では「インディ・ジョーンズ」シリーズがその代表だが、もともとは昔昔、映画がまだ「つづく」で終わり、続きは来週上映という時代に人気があったスタイル。「果たして運命やいかに?」という終わり方。それは1960年代の日本のドラマにも影響を与えた。

「月光仮面」(実写)「少年ジェット」「海底人8823」等の子供番組(皆、白黒)もそのスタイル。カラーになってからの「マグマ大使」「怪獣王子」「赤影」もそれだった。なぜか? 「ウルトラマン」シリーズはそのスタイルではなく、そのあたりから連続活劇スタイルは廃れていった。

それが復活したのが「レイダース」だが、アメリカではテレビドラマでも復活。それが「24」「プリズンブレイク」「ヒーローズ」である。それらを含めて、好きなスタイルだが、意外に太田組作品に持ち込んだのは「ストロベリーフィールズ」くらいなもの。それ以来の連続活劇スタイルである。

この辺。自分ではうまく行っているか?実感しずらいところだが、静岡市の映画館で上映後。観客がこう話してくれた。

「もう、最後はどうなるんだろう?健太は本当に死んじゃうのか?とハラハラドキドキ。それが二転三転。そしてラストはああなって、あーーーって感じで、感動でした!」

これはうまくできていたということなのだろう。今回、自分でも見ていて「しかし、この映画。引っ張るな〜。ハリウッド映画みたい?」とか思った。自分で作っておいてなんだけど。ほんと、体力ないとできないエネルギーで作られている。

それとラスト。みゆきが家族と話す場面がないことに気づいただろうか? 母(田中美里)とは話すが、父や弟とは話さない。普通なら家族と抱き合うとか、いう展開で終わるのだが、そうせず。それどころか、そこで他の主要登場人物の現在が描かれる。そこを長年の友人がこう指摘する。

「あそこで家族と抱き合うと、何だかなあと思うけど。それを見せないことで、どんなことを話したんだろう? 自分だったらどうだろう?と考えることができる。そこを掘り下げるよりも、他の主要人物を見せることで物語が広がる。単にみゆきと家族の話でなくなり、それぞれの人生が見える。

一時期、金回りがよく栄華を誇っても、時代と共に移り変わる(大豪寺)。苦しみに打ちひしがれても月日がそれを癒す(手塚くん)。無常感がある。そんな人生の中で大切なものは何か?を考えてしまう。そんな多くの人々が花火を見上げる。そう、花火は人生であり、希望の象徴なんだ」

その感想を思い出して、あーなるほどなあ。とか思いながら、見てしまった。ハラハラドキドキした上に感動して泣ける映画というのを目指しているので、それが最後はうまく行っていること。少しばかり感じた。さて映画館上映は長野、福岡等でまだ続いている(あるいはこれから)。興味ある方はぜひぜひ、見て頂きたい。

映画「明日にかける橋」*今後上映予定の劇場です

◉長野県 千石劇場
11/24(土)〜11/30(金)
http://www.sengokugekijyou.com/

◉福岡県 中州大洋劇場
12/7(金)〜
https://www.nakasu-taiyo.co.jp/sp/

※詳細は劇場のH Pをご覧下さい
http://asunikakeruhashi.com



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「明日にかける橋」を久々に見ると新鮮。結構、客観的に見れて面白い? [明日にかける橋=感想]

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「明日にかける橋」を久々に見ると新鮮。結構、客観的に見れて面白い?

訳あって「明日にかける橋」を見直している。最後に観たのは東京。有楽町スバル座の最終日。それから4ヶ月くらい。次のプロジェクトが始まり、頭が切り替わったこともあり、かなり新鮮。黒澤明監督も7年くらい経つと、素直に自作が観れると言っていたが、同感。

撮影から時間が経たないと、観ていて「ああすればよかった...」「ここは撮り直したい...」と反省ばかりが先に立ち、作品を素直に見れない。本当にこのシーンで泣けるのか? 笑えるのか?と疑心暗鬼にもなる。それが数ヶ月で結構、素直に観れるようになった。

自分で自作の印象を書くのも変な話だが、「明日にかける橋」は基本、SFかフアンタジーである。「バック・トウ・ザ・フューチャー」の日本版と一応言っている。だが、観ているととオープニングからして、SFではない。そしてヤングみゆき(越後はる香)編はまるで文芸映画のよう。

宇宙人もUFOも出てこない。超常現象も幽霊も出ない。普通に家族ドラマ。それも超真面目な物語に思える。タイムスリップものの多くは、「BTTF」を始めコミカルな描写がある。日本だとアイドルが主人公を演じて、「えーーーここは1990年なの〜」という演技をしがち。

それが越後を始め、皆、シリアスで重厚な演技。ま、自分でそういう演出に決めたんだけど。その辺が印象的。また、タイムスリップものの多くは、現代から物語がスタートして、過去へ行く。それがお決まりのパターン。だが、「明日」は過去からスタートして、現代になり、再び過去に行く。これはめずらしいスタイル。

だからこそ、後半で観客が大人みゆきを応援したくなる。観客も過去を体験することで、よりみゆきの気持ちがわかるようになるからだ。そんな仕掛けもありつつ、物語は弟・健太の死が描かれる。「弟を死なすか?」という感じ。通常、この手のドラマはコミカルだったり、ファンタジーらしい演出をする。

タイムスリップ前に時空の歪みを感じる現象があったり、不思議な出来事があり、予感させる。が、「明日」はそれが一切ない。文芸作品を見ているような気になるので、弟の死はかなりショッキング。誰かもツイッターで「上映スタート10数分で驚愕の展開」と書いていたが、あらすじを知らないとそう思うだろう。

そのあとの葬儀。これもめっちゃシリアスにリアルに描いている。そこで「泣ける場面①」の里美先生(藤田朋子)とみゆき(越後はる香)のシーンとなる。この辺も全然SF色がない。観ていて胸が苦しくなる。里美先生と一緒に「みゆきのせいじゃないよ!」と伝えたくなる。

さあ、このあとが酷い。アルビノーニのアダージョ♬に乗せて平成不況が描かれていく。その時代の中で翻弄されるみゆき一家。もう、全然SFでも、ファンタジーでもない。長尺の文芸作品のよう......なんて、思いながら見ている。さあ、このあとは大人みゆき(鈴木杏)編となる。


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「明日にかける橋」鋭い人はちゃんと見ている!音楽家さんから頂いたコメントにニコニコ。 [明日にかける橋=感想]

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「明日にかける橋」鋭い人はちゃんと見ている!音楽家さんから頂いたコメントにニコニコ。

映画を作ると、あれこれ当て外れな批判をしてくる人がいる。
知りも知らないのに思い込みだけでコメントしてくる。それに対して、おーーここまで見てくれているか!というコメントは少ないが、ときどきあり、感激する。

今回紹介するコメントは音楽家の愛森さんのもの。いつも鋭い意見をくれる方だが、今回は特に嬉しい。映画の映像や俳優の演技については鋭く見ている方がいるが、「音」「音楽」に関しては一般の人ではなかなか分からない。その点、愛森さんはやはりプロの音楽家。ぜひ、読んで頂きたい。

**************************

BY 愛森さん

愛森も映画に音楽は必要だと思います。「スターウォーズ」の音楽、使いすぎだとは思いません。うまく表現できないのですが、音楽によって心も映画の世界にスムーズに入りこめます。

以前から思っていたのですが、太田監督の映画、他の日本映画に比べて音楽、しかも生楽器が多いと思う。それが良いのだと思います。BGMというよりも、その場面の感情を音楽でも表現しているように感じます。うまくコメントできないのですが。。。。

あと、太田監督以外の日本映画の多くが役者さんの台詞などが平面に対して、太田監督の映画はハリウッド映画のように役者さんの台詞が立体的なのです。しかもその場の空間に合わせたリバーブを使っている。だからこそ、その場面に入りこんでしまいます。

他の日本映画はノイズ(雑音)を排除している作品が多いのに、太田監督の映画にはノイズ(雑音)がちゃんとある。窓際だと、外の車の音などのノイズ(雑音)などがあるので、その場にいる感覚になれる。その為の作業、本当に大変だと思う。

***************************

ここから再び、監督太田が書きます。今回の「明日にかける橋」でいうと、職員室のシーン。山田先生と三者面談のところ。(大人みゆきが登場したシーンも)運動場からサッカー部の声がかすかに聞こえて来る。これは撮影中にサッカー部が練習していた訳ではなく、あとから入れたもの。

板尾創路さんが身代金を持ってお寺に行くときも、多くの風鈴の音が入っている。実際にお寺で風鈴祭りというイベントがあったのだが、それをたまたま録音したのではなく、録音部さんが別に録っておいてくれたのを、MA時に思い出して入れたのだ。

犯人登場の活劇場面だが、心安らぐ風鈴の音が入ることで、不思議な感じが出るからだ。そんなふうにただ見ていると気付かない音の工夫もあれこれしている。そこに気付いてくれる人がいるときは、とても嬉しい。

あと、音楽。遠藤浩二さんという日本で一番忙しい映画音楽家が毎回、担当してくれている。音楽の話はあまり記事にいていないので、近い時期にまた書かせてもらう。



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「明日にかける橋」静岡県のAさんからの感想ー感動する映画は マジ心を浄化できる まさに処方箋〓[ぴかぴか(新しい)] [明日にかける橋=感想]

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「明日にかける橋」静岡県のAさんからの感想。

素敵な文章なので、本人にお願いして掲載の許可を頂きました。文中の「由美ちゃん」というのは、映画に出てくれた市民俳優さんの名前。Aさんはそのお友達。「由美ちゃん」に当てたメッセージとなっています。

「明日にかける橋」**************

泣ける映画は 処方箋〓か[右斜め上]?[ほっとした顔][ぴかぴか(新しい)]
由美ちゃん[クローバー]いいね[右斜め上]?[指でOK]?

由美ちゃん??声かけ有難う[右斜め上]?[ぴかぴか(新しい)][クローバー]
とっても楽しかったよ[右斜め上]?[ムード][ほっとした顔]

磐田ららぽーと
『明日にかける橋』
鑑賞プチ旅行[電車][バス]
慌てて観に行ったけど、9週上映とは [うれしい顔]びっくり?[祝]?〓
感動する映画は マジ心を浄化できる まさに処方箋〓[ぴかぴか(新しい)]

やはり映画館での鑑賞は 半端なかった[ぴかぴか(新しい)][ぴかぴか(新しい)][泣き顔][クローバー]
サイコー[右斜め上]?[ぴかぴか(新しい)][ほっとした顔]

そんな家族の絆を描いた
太田 隆文監督の
[クローバー]感動作品[クローバー]
の 映画に ご縁して [ぴかぴか(新しい)]
スクリーンに映っている 友人達、
私を見つけた[ムード][ムード]
そこは(笑)[ほっとした顔][クローバー]

ただただ
感謝しかないです[クローバー][ムード]




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和歌山県の女の子から「明日にかける橋」の感想が届きました。 [明日にかける橋=感想]

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和歌山県の女の子から「明日にかける橋」の感想が届きました。

【太田隆文監督の映画 私たちの夢】by 小玉虫シスターズ

私たちは太田隆文監督のデビュー作のストロベリーフィールズから見続けています。

「ストロベリーフィールズ」
「青い青い空」
「朝日のあたる家」
「向日葵の丘1983年・夏」

どれも傑作・名作です。どれも大泣きします。太田監督の映画は制作費が何億円もあるわけでなく、派手なアクションシーンがあるわけでもなく、VFXやCGが駆使されてるわけではないです。

でも、感動するんです。めちゃめちゃ泣けます。

それは太田監督の映画はどれも見る人の目線で表現されてるからだと思います。

親は親目線。子供は子供目線。それぞれが等身大で見れるのが太田監督の映画です。

等身大で見れて、等身大で泣けて、自分自身が映画のキャストになって、スクリーンで想いを伝えてる感覚になります。

私たちは小さいころから太田監督の映画を見て、泣いて、笑って育ちました。

1番泣いて感動した映画は小学生のときに見たストロベリーフィールズ。私たちの地元、和歌山県で撮影されました、友達の大切さ、親と子の繋がりの大切さを教えてくれた映画。私たちが生まれて初めて涙した映画。一生の記憶に残る映画です。

太田監督の映画のテーマは「親と子に伝えたい大切な何か」

太田監督作品はどれも「大切な何か」が詰まっています。

そして、最新作「明日にかける橋1989年の想い出」

お父さんが撮影お手伝いしてたので私たちの手元には昨年の夏から台本がありました。台本読むだけで涙ポロポロです。

今年の夏、待ちに待った大阪公開見ました。スクリーンではキャストさんが演技して、音楽が流れて、頭の中で台本のストーリー追いかけながら泣いて、笑って、また泣きました。

泣く場面は本当に悲しい涙と、感極まった感動の涙があります。私たちは越後はる香ちゃんの「みゆきちゃん」と草刈麻有さんの「アヤカちゃん」に気持ちがシンクロしました。

明日にかける橋もキッチリ私たちに大切なことを教えてくれましたよ。私たちも強い想いを持って、やりたいことを実現できるように頑張ります。ニャハハン。



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「明日にかける橋」を観た人の感想いろいろ=家族ドラマか?SFドラマか? それとも平成を見つめる物語か? [明日にかける橋=感想]

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「明日にかける橋」を観た人の感想いろいろ=家族ドラマか?SFドラマか? それとも平成を見つめる物語か?

全国からいろんな感想を聞かせてもらっている。例えばロケ地である静岡西部の方々からは「私たちの住む町をスクリーンで見て感動。見慣れた場所がとても美しく見え驚いた」「プロの有名俳優と地元の友人が共演している。俺も出演している!そんなところに感激」

映画ファンの人はやはり「バック・トウ・ザ・フューチャー」をどう日本で成立させているか?「最後はどうなるの?健太は助かるの?とハラハラし通しだった!」との声が多い。SFマニアの人でこう批判する人がいた。

「未来を変えるのは反則。この手のドラマはルールに従い作らないと!」

そんな人もいたが「未来を変える」がこの映画のテーマ。それは外せない。タイムトラベルものをやりたくて作った訳ではない。家族ドラマをまともに描いては絶対にできないことを、タイムトラベル設定で、見せたかったのだ。

その「家族ドラマ」として観てくれた方も多い。木下恵介監督、山田洋次監督が繰り返し描いたテーマではあるが、それをタイムトラベルという設定によって、今までにない形の家族ドラマにしてみた。多くの方から「感動した。泣けた」と褒めて頂いた。

社会に関心がある人は、平成日本を振り返る物語として観たとのこと。1989年はまさに平成元年。そこから現代までの(正確には現代までではないが)時代を総括。バブル時代に始まり、バブル崩壊、阪神大震災、オウム事件、311、リーマンショック、と平成を見つめるドラマになっている。「あの事件のとき、俺は大学生だったなあ」とか、自身をダブらせ、平成時代の総括をせずにいられなかった、との声も聞いた。

それは意図した部分。まもなく終わる平成。その最後の年に30年を振り返ること。日本が、そして自分自身が何をし、何を失い、何を得たのか? 次の時代に進む上でそれを反省すること。それを物語の中で考えたかったのだ。社会的視点のある人はこうもいう。

「この映画は宝田明がキーパーソンだ!」

鋭い!その通りだ。「明日」は「BTTF」的なエンタテイメントをやりたかっただけではなく、その部分がテーマとなる。教育問題に関心ある人は山田先生と、みゆきのおばあちゃんの言葉を対比させて、感じるものがあると言ってくれたが、その2つが重要なのだ。

山田先生は日本の戦後教育の象徴。バブル崩壊まではそれでよかった。優秀なサラリーマン=与えられることを確実にこなす=を大量に育てることで経済発展を可能にした。しかし、そんな教育を受けて育った人たちでは解決できない苦悩の時代を迎えた。それがバブル崩壊以降。だから20年も不況が続く。にも関わらず同じ教育方針で「与えられたことをするだけのサラリーマン」を育て続けている。

「この構図。何かと同じだな?」

思い当たったのが太平洋戦争時の日本だ。軍国教育で「お国のために死ぬのが日本男児」と教え、多くの若者が死んで行った。日本がもう勝てないという段階になっても、方針を変えず、若者が犠牲になって行った。その2つの時代を考えると、片や「お国のため」もう一方は「会社のため」どちらも言われたことを遂行する教育が後押ししている。結局、庶民は使い捨て、上の人たちを守るために犠牲になっていく。

つまり、そららの教育に染まった人たちが不幸になって行った。今の日本。同じことを繰り返しているのではないか? そこで山田先生という 猛烈教師というキャラクターを創造。さらには尾形社長という戦争経験のあるキャラも登場させることで、先に書いた「思い」を彼らに語ってもらった。戦中、戦後の日本を対比見つめるパートを作った。

山田先生は悪人ではない。むしろ教育熱心な教師。それを戦中に置き換えれば、愛国心溢れる憲兵のような存在。そしてバブル崩壊。皆が憧れる企業である大日本銀行が倒産。その流れを物語で見せることで、観客は今の教育が戦中と何ら変わらぬものであること。戦時中と同じで、子供たちを不幸に追いやることになるのでは?と感じる。そんなことを伝えるためのパートだ。では、どうすればいい? その問いに答えるのが田中美里さん演じる母のおばあちゃんである。

「腕に職をつけること」

昔ながらの知恵が未来を切り開くのではないか?というメッセージ。現代の教育は何ら技術を教えるものではない。会社をクビになっても、会社が倒産しても、他で生きる技術を持つことが厳しい現代を生き残るために必要なのでは?

そんな実例として美里さん演じる母・桐子は、大好きな剣道を続けてきたことで、現在はカルチャーセンターで教え、家計の足しになっている。そのあとも娘みゆき(現代の方)を救うあのシーンでも生きる。太田組作品は毎回、エンタテイメントの形をとりながら、社会問題、教育問題があちこちに潜んでいる。

それが家族ドラマにつながる。教育の矛盾に気づいた高校時代のみゆき。そのために両親と対立。両親は良かれと戦中と同じ、国にとって都合いいだけの大人を育てる教育を娘に与えようとする。それが問題であることを親が気づけば、無用な争いは避けられる。

国に都合のいい人間に育てるために、親子が対立するのはあまりにも無意味ではないか? そんなことを考えるために、戦争、教育、そして平成という時代を選んだのである。

そんなふうに「明日にかける橋」はいろんな角度から観られる物語にしてあり、同時にエンタテイメントにもなっている。ただ、評論家の中にはその辺のことを見抜くことができず、当て外れな想像で批判していた人もいる。

「宝田明さんの存在意味が分からない。唐突である」

という人もいた。が、先に書いた説明を読んでもらえれば理解できるはず(評論家の劣化が激しいこと近年強く感じるが、多くが作品の本質を見抜けず自分の趣味嗜好だけで批判することが多い)また、そんな設定であり、テーマなので戦争体験があり、戦争を反対する講演活動を今もしている宝田さんに出演して頂いた。キャスティングは役柄だけではない。そんな部分もとても大切だ。

もちろん観客はいろんな見方で観て、楽んでくれればいい。それが映画。でも、映画公開も終盤に向かっているので少し解説をしてみた。ららぽーと磐田は来週の金曜までは上映している。よろしく!

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明日にかける橋=感想「見終わって爽やかになれる感動を求める人には、お勧めの作品」 [明日にかける橋=感想]

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明日にかける橋=感想「見終わって爽やかになれる感動を求める人には、お勧めの作品」

過去を変える!映画では「バック・トゥ・ザ・フューチャー」が有名ですが、この「明日にかける橋」は本編中でそのタイトルが出てくるように「バック・トゥ・ザ・フューチャー」をリスペクトしつつ、全く違うテイストで見せるお話です。

太田隆文脚本・監督の映画はいつもキャストがどんぴしゃ!で、必ず泣ける箇所がありますが、今回も例外ではありません。クライマックスはもちろん、その他のシーンでも、適役のキャストの名演が涙を絞り取ってくれます。

今回は特に宝田明氏が、登場シーンが少ないのに強烈な印象を残します。含蓄のあるセリフが、主人公たちの行動に繋がっていくのは納得です。

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ここで語られる、太田監督が常に意識しているであろう「教育」の問題は、昨今の財務省の文書改ざん等といった、社会の腐敗につながっているように思えてなりません。その意味で、この問題が全く古びていないことに愕然とさせられます。

とはいえいつもの太田監督映画の通り、テーマが前面に出しゃばることはなく、見やすいエンタメストーリーで、不快になるようなシーンも無く、お子さまからお年寄りまで全ての世代に見やすい映画です。

映画の主な舞台は静岡県の袋井、磐田、森町。冒頭に出てくる、ひな人形の大群が凄い可睡斎があったり、マドレーヌが激ウマの店や、法多山の厄除け団子などスイーツの美味いとこがあったりして、訪れて損のない町です。(映画を観てからロケ地めぐりに行きました!)

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そのことを知らなくても十分楽しめる内容ですが、地元からたくさんの人々の出演がなかなかの大作映画感を出していて、「市民映画」というのも納得です。

「明日にかける橋」の東京での劇場公開時=2018年7月頭の劇場上映作品と比較すると。

「ハン・ソロ」よりオリジナリティがあり。
「万引き家族」より分かりやすく。
「デッドプール2」みたいな残酷さはなく。
「アベンジャーズ:インフィニティ・ウォー」みたいな後味の悪さはない。

見終わって爽やかになれる感動を求める人には、お勧めの作品です。

涙腺が緩んだ個所はいろいろありますが、特に感心したところは、健太の葬式のシーン。涙をこらえていたであろうみゆきが、里美先生の前で泣き出すとこでした。涙流しながら、このタメ上手いなあ、と演出に関心。タメて感情を溢れさせる越後はる香と、受け止める藤田朋子には賞をあげたくなります。

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脇のキャラも、宝田明氏の部下や静岡県警の女性警察官など、印象に残る人がいました。

その中でもピカイチなのが「NEW STATION」のキャスター。某ニュース番組の映像を使えなかったゆえの設定だと想像しますが、このキャスターの表情や話し方が某K氏を彷彿させ、似せ具合が見ていて楽しいところでした。

予算面での苦肉の策でしょうが、かえってオリジナリティが感じられます。こういう、予算の制約(たぶん)を面白さに変えるのも太田監督作品の巧さです(相当頭悩ませるでしょうが)。


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「明日にかける橋」感想 by 和歌山県の女性=どこにでもある地方の小さな町が、こんなに美しくなる… [明日にかける橋=感想]

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「明日にかける橋」感想 by 和歌山県の女性=どこにでもある地方の小さな町が、こんなに美しくなる…

過去に戻れたら…そんな切実な思いを胸に、私達はいつの時代も、言えなかった言葉や、伝える術を知らなかった悔しさを抱えながら生きています。

太田監督の映画「ストロベリーフィールズ」では、そんな青春真っ只中の女子高生の悲しい叫びと熱い思いに涙しましたが、最新作のこの映画では、主役は今の私達、くたびれかけている私達、諦めかけている私達、そう、観客自身でした。

いつもハリウッド映画でも、鳴り物入りで封切られたテレビ局出資の邦画でも、眠気に苛まれる私が、この「明日にかける橋1989年の想い出」では、一度も緊張感が途切れることなく、最後まで観賞できたのは、主役が観るもの自身に設定されていたからかも知れません。

1989年の景色が映し出される度に、私達観客は、楽しかったことも、辛かったことも、頭の片隅に自分自身のスクリーンを映し出しながら、この吉行家の家族達を追っていくのです。最後はどうなっちゃうの?ハラハラしながら物語は進みます。

「ストロベリーフィールズ」では、悲しい運命は変えることができなかったけれど、太田監督作品は、どの作品も、どこかに必ず光を植え付けてくれています。

けれども、今回この作品では明らかに一線を越えてきます。過去が変えられていくのです。なぜ?

それは、今の時代に観てもらうことに意義があったからなのでは? 昨今の、有無を言わせぬ世の中の流れは、力のない弱い立場の人々にはあまりにも酷です。

過去の悲惨な戦争体験さえ暗示しながら、物語は小さな少年の大好きなカメラ好きから決して手を離さないのです。

お母さんの剣道好きからも、主人公の家族愛からも…。

メッセージはこれで充分でした。この映画を観た方々は、必ずそこに自分を重ね、好きなものへの執着だけが、自分を、そして世の中を変えられる鍵だと気づくはずです。

最後を飾る花火は、どこにでもある地方の小さな町が、こんなに美しくなる…それは、私達という弱くて小さな存在の背中を押してくれる、あたたかいメッセージでした。観てよかったです!

ーーーーーーーーー
明日にかける橋。ららぽーと磐田、岡山メルパで絶賛上映中。
京都、群馬は近日上映。


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「明日にかける橋」感想=展開がわかってるのに涙出る。 [明日にかける橋=感想]

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【明日にかける橋】十三シアターセブン公開初日観ました。

by 和歌山県のパパ

「今回も泣かされた。観るたんび流す涙の量が増えてくるし。やっぱ、境内での板尾さんと杏さんの場面はアカンです。展開がわかってるのに涙出る。僕自身に娘おるので板尾さんとダブりますわ。

娘の幸せを願わない親はいない。板尾お父さんは娘に嫌われてるのは分かってる。でも、そんなこと関係ない。私立へ行きたいのなら行かせてやりたい。そう思い、一念発起して起業する。しかしバブルが弾けて残念な結果になり、家族に大きな悲しみが訪れる。
涙なしでは観れない父と娘。

ほんでやっぱりお母さん役、田中美里さんの「健太を頼んだわよ」で涙腺決壊。この場面で涙出るのはお約束ですわ。太田監督の映画は複数回観るべきやで」

シアターセブンの上映スケジュールはこちら。
http://www.theater-seven.com/2018/mv_asunikakeru.html


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浜松市Oさん「遠州地方に暮らす全市民に観てもらいたい!」 [明日にかける橋=感想]

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by 浜松市 Oさん


 映画『明日にかける橋』を私は9/5(水)に家内と共に「ららぽーと磐田」へ観に行きました。昨年の試写会も観ていたのですが、一年後にこうして再び観たことで、改めて自身の郷土再認識と自己啓発に触発された思いです。

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 行動の大切さ。この映画は最低限、ものです。せめて小中学生、できれば高校生にも学校単位で観て頂けたらと思います。薄れゆく郷土愛、家族愛を学ぶ為に必要不可欠な”価値ある映画”だと思います。それは、より良き日本を育む原動力ともなるような。

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 こうして県西部を舞台に、幾作も素敵な作品を生み続けてくれる太田隆文監督には、全く感謝の一言です!「ありがとうございました!」同時に、誕生したばかりのこの作品を育て行くのは、「遠州に暮らす人々」つまり私たちであるということを決して忘れてはなりません。

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 あなたも、この映画をご覧になって感動したならば、お近くの友人や知人へ”上映中!”であることを知らせましょう!また、遠方の方々へは個人ブログやTwitter、Facebook、InstagramなどSNSをフルに活用して、「リツイート」や「リフォロー」で拡散伝達なさって下さい!それが太田隆文監督への「個人で出来る!」恩返しとなるのではないでしょうか…。監督の”地域愛”が、この地に根付くことを心より願っております。

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